309：色あせたつぐない ページ16
-バロside-
誕生日を祝ってやりたいけど、一緒に居るべきなのは俺じゃない。
そんな大事な事を俺はいつの間に忘れていたんだろう…
BR「中入れよ」
「え…ここ?なんで?」
BR「いいから入れって」
訳が分からず戸惑ってるAを練習室に押し込んだ。
そこにはきっと俺からのメールを受け取ったジニョンヒョンが待ってるはずだから…
「ちょっと、バロってば!!」
半ば無理矢理練習室に放り込まれて焦りながら俺の名前を呼ぶけど、
しばらくするとヒョンの声が聞こえて来て俺の名前を呼ぶのをやめたA
BR「ったく…世話が焼けるな…」
練習室の中から聞こえて来る2人の話し声を確認してそう呟き、俺は事務所を後にした
BR「……」
静かな夜、1人で乗る自転車はさっきまでと違ってペダルがとても軽くて、
いつもなら爽快に感じるこの風さえも今日は何だか寂しく感じてしまい、
俺はただ黙々と自転車を家へとこぎ進めた
BR「ただいま…」
宿舎に帰ると迎え入れてくれたのは、
俺が出て行った時と同じ格好のまままだテレビを見てるチャニとシヌヒョン。
おまけにラーメンが入った鍋を抱えてるサンドゥルが…
GC「バロヒョンおかえりー」
CN「遅かったな」
SD「あっ、バロどこ行ってたんだよ!!
一緒に焼肉でも食べに行こうと思ってたら
出かけたとか言うからさぁ」
「結局ラーメンになっちゃったじゃん」なんてブチブチ文句を言いながらも
美味しそうにラーメンをすするサンドゥル
BR「…俺もう寝るから」
CN「え、あぁ…おやすみ」
GC「今日は早いんだね、おやすみ〜」
おやすみと手をふるチャニの横でまだ文句を言ってるサンドゥルは無視して、
俺は早々にベッドへと倒れこんだ
BR「はぁ…」
携帯で時間を確かめるととっくに0時は過ぎていて、知らぬ間に終わっていたAの誕生日
BR「少しは…ヒョンと過ごせたかな」
ほんの少しでもヒョンと誕生日を過ごせて喜んでるならいいけど…
BR「これで…誕生日の約束守れなかった事
チャラにしてくれるか?」
ずっと引っかかっていたあの日の約束を守れなかった罪悪感。
それを今回の事で少しは償えた気がしたのに、どうしてこんなに心が重いんだろう。
これっぽっちも気持ちが晴れてくれない…
BR「まだ…チャラにするなよ…」
お願いだから、まだ俺との約束を忘れないで…終わった事にはしないでくれ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん | 作成日時：2017年4月8日 21時
