306：見つけたのは ページ13
-ジニョンside-
Aちゃんを探してる途中で送られてきたバロからのメール。
“「見つけたから練習室に連れてく」”って、そのメールを見てホッとしたような、
自分が見つけられなかった事がくやしかったような…僕はそんな複雑な気持ちになった。
そしてしばらく練習室で待っているとAちゃんが部屋の中に入って来て、
本人に確認してみるとやっぱり今日が誕生日だったらしく、
その事実を知って気づいてあげられなかった自分に無性に腹が立つし、謝る言葉しか出て来ない…
JN「本当に本当にごめん。
今日会いたいって言ってくれたのに、
全然…気づいてあげられなくて…」
「ジニョンさん…私気にしてないので、
そんなに謝らないで下さい。
それに、そんな強く抱きしめられたら
ちょっと苦しいです」
JN「あっ…ご、ごめん…」
力を入れすぎた手をパッと放すと、
そんな僕を見て笑うAちゃんが居てなんだか少しホッとした
JN「ねぇ、あのさ…
もうひとつ聞きたいんだけど…」
微笑むAちゃんと目が合って、
聞くなら今しかないと思い切って去年の事を聞いてみた僕
JN「去年の秋ごろにマスターと
誕生日会したって言ってなかった?」
「去年…ですか?」
JN「うん、前にその話しを聞いたから
Aちゃんの誕生日は
秋だと思ってたんだけど…」
僕がそう聞くとAちゃんはしばらく考えて
「あぁ!!秋はマスターの誕生日なんです!!」と教えてくれた
「夏に祝えなかったから
私の誕生日も一緒に祝おうって言ってくれて」
JN「はぁー…そういう事か…」
JN「てっきり…
秋が誕生日だと思っちゃったよ…」
「フフッ、そうだったんですね」
気になっていた事がスッキリしたのはいいけれど、
自分が思い違いをしていたんだと分かり全身の力が抜けしゃがみ込んだ僕を見て、
目線を合わせる様に屈みながら笑うAちゃん
JN「なんで…」
「え?」
JN「なんで言ってくれなかったの…」
なんで今日が誕生日だって事を僕に言ってくれなかったのか…
その理由は何となく分かっていたけど聞かずには居られなかった。
それはたぶん…バロが知ってた事に嫉妬したからだ
「……」
JN「今日が誕生日だって…教えて欲しかったな」
「……ごめんなさい…」
消えてしまいそうな声でAちゃんはそう言った
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月8日 21時
