305：ドアの向こうには ページ12
BR「中入れよ」
「え…ここ?なんで?」
自転車に乗って連れてこられたのはバロ達の事務所の中にある練習室のドアの前で、
どうしてここに来たんだろうと首を傾げる私を「いいから入れって」と言いながら
ドアを開けて無理矢理私を部屋の中に押し込んだバロ
「えっ!?ちょっとバロっ」
そして私を押し入れたかと思うと、自分は入らずにドアを閉めてしまった
「ちょっと、バロってば!!」
訳も分からず連れて来られて、無理矢理部屋に1人入れられてどうしたらいいか困っていると、
「Aちゃん」と後ろから聞き慣れた声が…
「……ジニョンさん?」
振り向くとそこにはジニョンさんが立って居て、益々混乱していく私の頭
「え、ジニョンさんどうして…
レコーディングは終わったんですか?」
JN「うん…珍しく早く終わったんだ」
「そうだったんですね、お疲れ様でした!!
まさかジニョンさんが
ここに居ると思わなかったから驚いて…」
JN「ねぇAちゃん」
まさか今日ジニョンさんに会えるとは思ってなかったから
あまりの嬉しさで興奮気味に話を進めていると、
そんな話しを途中で遮る様にジニョンさんが私の名前を呼んだ
JN「ひとつ…聞いてもいいかな…」
なぜかいつもと違うジニョンさん声のトーンに少しだけこわばる私の体…
「……どう…したんですか?」
JN「Aちゃん…今日が誕生日って本当?」
「えっ………どうしてそれ…」
“今言おうとしたのに…”なんて言葉を言う前に、突然勢いよく抱きしめられてしまった
「うわっ…ジ、ジニョンさん!?」
JN「ごめんっ、本当にごめん!!
今日が誕生日だなんて知らなくて、
本当にごめん!!」
「そんなっ、謝らないでください」
JN「本当に本当にごめん。
今日会いたいって言ってくれたのに、
全然…気づいてあげられなくて…」
「ジニョンさん…私気にしてないので、
そんなに謝らないで下さい。
それに、そんな強く抱きしめられたら
ちょっと苦しいです」
抱きしめられるのが苦しくなるくらいの手の力にそう言うと、
「あっ…ご、ごめん」とパッと手を放したジニョンさん。
その後もジニョンさんは何度も何度も私に“ごめん”と言ってくれて、
それが誕生日の事なのか抱きしめ過ぎた事なのか分からなかったけど、
何だか逆に悪い事をしてしまったような気分になった…
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作者名：のん | 作成日時：2017年4月8日 21時
