好きな人には他に好きな人が居ます 7 (ページ11)

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304：果たせなかった約束ページ11

-バロside-

BR「そんな事くらいでヒョンは
　 Aの事嫌いになったりしねぇよ」

そんなバカみたいな理由でヒョンがAの事を嫌いになるわけがない。
だから“良い彼女になりたい”なんて考えずに、ただ甘えればいいだけなのに

「…うん…そうだね…」

BR「ちゃんと分かってんのかよ」

「うん…分かってる。バロありがと…」

BR「…別に…」

俺の言葉に珍しく素直に“ありがとう”と返したA。
でも俺は別に礼言われるような事をしたわけじゃない、
ただ…あまりにもバカで見てられないから忠告しただけだ

「ねぇ…バロと一緒に誕生日過ごすのって、
　中学生の時以来だよね」

BR「え?あぁ…そうだな。
　まぁ昔のは一緒に過ごしたって言うより、
　知らずに一緒に居たって感じだけど」

あの頃からAは自分の事を後回しにして笑ってて、
俺が一緒に居てやりたいって思ったんだ…

「でも私ちゃんと覚えてるよ…次の日バロが
　綺麗な景色見に連れて行ってくれた事」

「あの時の感動は今でも覚えてる」なんて言ってくれるから、
あの頃の俺が報われたようで凄く嬉しい気持ちになった

「あんな風に誕生日祝ってもらえて、
　本当にもの凄く嬉しかったんだ…
　バロは…覚えてた?」

BR「…まぁな」

あの日の事を、俺が忘れるわけがない。
ずっと気にかかってた…あの時“来年はもっと豪華に祝ってやる”ってそう約束したのに、
それを守れずに去った事をずっと後悔してたから。
毎年毎年Aの誕生日が近づくたび思い出して、忘れる事が出来なかったんだ…

BR「…悪かったな」

「…なにが?」

BR「いや…だからあの時…
　来年は豪華に祝ってやるって約束したのに…」

「フフッ…本当だよ、
　豪華なプレゼント期待してたのにさ」

BR「フッ、なんだよそれ」

背中から笑い声と共に聞こえて来たAからの呆れる答えに、
真剣に謝っていた俺も、つい笑ってしまった

「ねぇ、今年は?
　今年こそ今までの誕生日分をまとめて
　豪華なプレゼントくれるんでしょ!?」

BR「バーカ、んなもんねぇよ」

「えーー!!酷いっ!!
　プレゼントくれるのが普通でしょ!?」

BR「カネない」

「ケチッ!!」

そう言いながらバシッと俺の背中を叩いたA。
本当はちゃんと用意してたけど、渡すのが恥ずかしくて嘘をついてしまい、
益々渡しづらくなった事に俺は後になって気づいた

　