188：聞き逃した言葉 ページ41
「やっぱり新しい服買えばよかった…」
金曜日の夜、私は部屋で服を何着も着替えた後、鏡を見ながらそうつぶやいた。
久しぶりに4人で遊園地に行く日が明日に迫って、楽しみで気持ちがフワフワしてるけど、
前日となると考える事が多くてさっきからソワソワと落ち着かない。
洋服は可愛い感じにするかカジュアルにするか、メイクはどうしよう髪の毛はどうしよう…
色んなコーディネートを考えてはみるけど何一つ決まらないのは、
ずっと頭の中でソヌの顔がチラついてるから
「ソヌはどんなのが好きかな…」
ソヌに可愛いと思ってもらいたいなんて今まで一度も考えた事なかったのに、
こんなに真剣に悩んでる自分が自分でも少しだけ面白く思えたりもする
「はぁ…明日晴れるかな…」
1番心配なのは明日の天気で、さっきから何度も携帯で天気予報をチェックしてる私。
何度見ても曇りに小さな雨マークが変わる事はなくて、
不安で居ても立っても居られなくなった私は空を見るために玄関から外に出た
「晴れますように…」
明日は遊園地に行くので晴れて下さい、でも曇りでもいいです…なんて、
空を眺めながらしつこいくらいに願っていると“ガチャ”と開いた隣のドア。
振り向くとそこにはソヌが居て、玄関から出てきたソヌも私を見て驚いてる
「ソヌ、何してるの?」
SN「そっちこそ…」
「私?私はお願い事してた、
明日晴れますようにって」
SN「あぁ…晴れたらいいよな…」
そう言って空を見上げるソヌはなんだか少し暗い表情をしてる気がしたけど、
「楽しみだよな、遊園地」と言った時には笑顔になっていたから、私の気のせいかもしれない
「うん、楽しみだなぁ」
一緒に遊園地に行ける事はもちろん嬉しいけど、
こうやってソヌと何でもないのに会って話しが出来たり、
2人並んで夜空を眺めたり出来る事が凄く嬉しくて、私は心の中で神様に感謝をした
SN「なぁ…A…」
「ん?なに?」
SN「……あのさ…俺…」
ソヌが何か言おうとした瞬間「Aご飯よ〜」と聞こえて来たオンマの声
「分かった、すぐ行く!!…で、なに?」
SN「…いや、やっぱいいわ。
急ぐ話しじゃないしまた今度で」
「…そう?じゃあ私もう戻るね」
SN「おぅ」
「じゃあまた明日!!」
私は笑顔でそう言いながらソヌに手を振って家に入った。
この時ソヌが何を言おうとしていたのか、気に留める事もなく…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん | 作成日時：2016年9月4日 21時
