好きな人には他に好きな人が居ます 4 (ページ30)

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177：知ってる? ページ30

ソヌを好きだと気づいてから、いつも無駄に廊下をうろついている私。
今だって、英語の授業が終わってすぐに私は廊下に飛び出した

「あっ、ソヌ!!」

SN「おっ、Aじゃん」

「体育だったの?」

体操着姿を見て私がそう尋ねると「おぉ、Aは?」と返したソヌ

「私は英語の小テスト、もう最悪だった…」

SN「フッ、お前英語苦手だもんな」

「ご苦労さん」なんて笑いながら私の頭に手を置くから、それだけで嬉しくてニヤニヤしてしまう

SN「じゃあ俺着替えてくるから」

「うんっ、じゃあまたね」

こうやってソヌと少し話せるだけで、
嬉しくてドキドキして元気になれて、その日1日が幸せな日になる。
…きっとソヌは知らないよね、私が授業と授業の間はいつも廊下を歩いてるって。
少しでもソヌに会いたくて、廊下に居ればソヌとすれ違うかもって…
そんな期待をしていつもいつも教室の前を行ったり来たりしてる。
こんな事するなんて自分でもバカだなって思うけど、
そんな事しちゃうくらいソヌの事好きになっちゃったんだもん…

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次の授業が終わってからも、我慢出来ずに私は廊下に飛び出した。
ばれない様にそっと隣りの教室を覗いてみると、教室の奥で机にふせて寝ているソヌを発見、
黒板を見てみるとどうやら前の授業は地理だったらしい

「ソヌ地理嫌いだもんなぁ…
　寝ちゃダメだって言ったのに」

昔は隣りの席でよく見ていた光景をまた見る事が出来て、ドアの隅で1人微笑んだ私。
起きる気配もないし自分の教室に戻ろうかな…なんて思ってると、
寝ているソヌの肩を揺らして起こしている人物が目に入った

「あの子…」

隣の席に座るその子に見覚えがあると思ったら、この前ソヌが自転車に乗せてた子で、
その子に起こされて眠そうに目をこすりながら目を覚ましたソヌ。
…ソヌを起こすのは私の役目で、ソヌの隣は私の居場所だったのに、
なんだかソヌを取られた気がして、ギュっと胸が苦しくなった

「あの子も…ソヌが好きなのかな…」

2人の姿をずっと見てる事も出来なくて、教室に戻って自分の机に座り頭をふせた私。
女の勘って本当にあるみたいで、きっとあの子もソヌが好きなんだって見てたら分かる。
間違いなく…そうだと思う。
あの子はソヌが好きで、もしソヌもあの子を好きになったら…
そんな事を考えて不安が大きくなるばかりで、次の授業には全く身が入らなかった

　

　