173：これからはちゃんと ページ26
あの子は誰なんだろう、2人はどういう関係なんだろう…
歩きながら考えるのはずっと同じ事ばかりでモヤモヤする頭の中
「はぁ…」
1人だから会話もなくて重いため息しか出て来なくて、
なんて寂しい帰り道なんだろうと思いながら俯いて歩いていた私の目線に突然自転車の車輪が映り、ゆっくりと顔を上げてみるとそこにはソヌの姿が…
SN「A」
「……」
私を見て笑いかけてくるソヌを前にしてキュンとときめいた私の胸、
さっきまで沈んでモヤモヤしてたくせに
ソヌの顔を見ただけで嬉しくてなるなんて、ちょっと悔しいくらい…
SN「…お前…何があったんだよ」
「…え?」
SN「その顔、泣いたんだろ?」
「……」
私の顔を見ただけで異変に気付いたらしく、眉をひそめながら聞いてきたソヌ。
この数時間の間に何があったのか…言いたい事も聞きたい事も沢山あったけど、
私は全ての想いを必死に胸に仕舞い込んだ。
だって…何で泣いてたか理由を言って、ソヌを責められる立場じゃないから
「…別に、何も…」
SN「別にって…」
「本当に何もないよ、ソヌは今帰ってる所?
今日は用事があったんでしょ?」
知らない子と2人で帰る所を見たなんて正直に言えなくて、
わざと遠まわしに探りを入れるような言い方をしてる自分に嫌気が差す…
SN「あぁ…用事っていうか
怪我させた友達を家まで送ってたんだよ」
「…そうなんだ…」
友達……友達は友達でも女友達でしょ?なんて、
小さい事にイライラして心の狭い自分にも腹が立つ…
SN「やっぱ…お前なんか変だぞ…
…何があったんだよ、
ジョンファンと何かあったんだろ?」
「……」
なんでいつもジョンファンなの?ソヌの口から出てくるのはいつもいつも
“ジョンファンと”“ジョンファンが”ジョンファンジョンファン…そればっかり。
……って、違うか。
ジョンファンの事ばかり言ってるのは私の方だったね…
何をしてても、何処にいても、ソヌと一緒に居てもジョンファンの話しばかりしてた、
ソヌにジョンファンの話しばかりさせてたのは私だったんだね…
「ううん…本当に何でもない、
ジョンファンは関係ないから…」
これからはちゃんとソヌを見るから…ソヌだけを見てるから、
私が誰を見てるか気づいてもらえたら、その時は私から告白しても許してくれるかな…
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作者名：のん | 作成日時：2016年9月4日 21時
