169：気持ちの信憑性 ページ22
“今は恋愛する気ない”か…。
それってつまり、私意外に好きな子は居ないけど、
もう私の事も好きだとは思ってないかもしれないって事?
他の子と付き合う心配は無いけど、私とどうこうなる可能性も無いってこと?
…それってなんか…複雑かも…
SN「おいっ、降りろよ」
「え?あっごめん…」
色んな事を考えて家に着いたのも気づかなかった私は、
「なにボーっとしてんだよ」なんてソヌに言われて急いで自転車を降りた。
自転車に鍵をかけて歩く玄関までの道は短くて、
もう家に着いちゃったんだ…もっと一緒に居たかったのにな…なんて、寂しくなっていく。
もっともっと色んな事を話したい、
ソヌと2人きりで話せる時間なんて今はこの帰り道の時間だけなのに、もう着いちゃうなんて…
SN「じゃあな」
いつも通りにそう言って帰ろうとするソヌを私は引き止めた。
住んでるのは隣だし、明日だって会えるし、
これが最後ってわけじゃないのに、なんか…離れたくない
「ソヌ…」
SN「ん?」
「明日も…一緒に帰ってくれる?」
SN「なに言ってんだよ、当たり前だろ」
そう言いながら私の頭に掌を乗せたソヌ
「…ありがと…」
今まで気づかなかったけど、私はソヌに頭を撫でられるのが好きみたいだ
SN「じゃあな」
「うん、じゃあね」
最後までソヌを見ていたかったけど、私が先にドアを閉めないとソヌも中に入らないから、
仕方なく私はそっとドアを閉め、家に帰り着いた
「好きに…なっちゃった…」
ベッドに座ると自然と出た言葉。
好きになっちゃいけない相手ってわけじゃないけど、好きになるなんて思わなかったから…
私がソヌを好きになるなんてありえないと思ってたから…
だから自分でもまだ、この気持ちが本物かどうか分からない。
…ううん、たぶんきっとこの気持ちは本物だけど、
今頃好きになる自分が信じられなくて、認められないでいるだけ
「ねぇ…私が好きだって言ったら
信じてくれる?」
私は携帯に付いてるクマのストラップに向かって話しかけた。
ソヌからもらったこのストラップがこんなにも愛おしく思える日がくるなんて…
「今さら好きだとか言われても…
やっぱり困る?」
ソヌは何度も気持ちを伝えてくれたのに、その度に私はソヌを傷つけた。
そんな私が今さら好きなんて言っても、ソヌは信じてくれないかもしれないな…
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作者名：のん | 作成日時：2016年9月4日 21時
