168：好きになって気づく事 ページ21
「隠し事されてるみたいでなんか嫌だな…
私には何でも話して欲しいのに…」
そんな言葉を聞いて固まったソヌを見て、我に返った私
「……え、いやっ何て言うかさっ、
友達として知らない事があるのは
なんか寂しいなと思って!!」
一体私は何を言ってるんだろう…
隠し事は嫌なんて恋人に言う事であってソヌに言うなんて可笑しいのに、
つい口走ってしまうなんて…
誤魔化すように笑って話しを終わらせた私をソヌは少しだけ不思議な顔して見てたけど、
あまり気にしてはないみたいで私は胸を撫で下ろした
SN「Aも早く乗れよ」
「え?あぁうん」
自転車に跨ったソヌに促されるまま私も後ろに乗り、
「じゃあ帰るぞー」という声と共に走り始めた自転車。
自転車に乗るとソヌとの距離が近すぎて、段々と心臓の動きが早くなっていく…
ソヌの背中ってこんなだったんだとか、髪の毛もこんな感じなんだとか、
今まで気にも留めていなかった事が、好きだと気づいた瞬間見えてくる。
思ったよりも細身な背中、結構サラサラで風になびく髪の毛、
そしてさっきからかすかに聞こえてくる鼻歌…
なんでずっと気づかなかったんだろう…ずっと近くに居たはずなのに…
SN「危ないからもっとちゃんと掴まれよ」
「えっ…うん」
ソヌからの忠告で、ほんの少しだけ手に力を込めた私。
本当はギュっと力を入れてくっつきたいけど、恥ずかしくて出来ない…
ソヌの背中にもたれて抱き付きたいけど、緊張して出来ない…
今まで簡単に出来てた事が何一つ出来なくて、さっきから私の心はドキドキドキドキ…
心臓の音がソヌにも聞こえて、好きだって事がバレてしまいそうだ
「ソヌって…本当にモテるんだね」
SN「なんだよいきなり。
ってか、今頃気づいたのか」
「うん…今まで気づかなかった」
SN「気づくの遅せぇよ」
「……」
本当に…私は気付くのが遅いみたい…
ソヌの魅力も、ソヌが好きだって事も、今頃になって気づいたんだから。
…気づくの遅すぎたかな?ソヌは私の事…どう思ってる?
まだ好きで居てくれないかな…なんて、都合が良すぎるよね…
「ソヌの事が好きな子
いっぱい居るんだろうね…」
SN「さぁ、どうだろな。
今は恋愛する気ないし
誰に告られても興味ないけどな」
「…そうなんだ」
恋愛する気ないって事は、今は好きな子も居ないって事?
私の事も、もう興味ないのかな…
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作者名：のん | 作成日時：2016年9月4日 21時
