好きな人には他に好きな人が居ます 4 (ページ19)

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166：小さな疑問ページ19

ソヌが好き…そんな自分の気持ちに、自分自身が1番驚いてる。
思い違いだ、きっと私の勘違いだってそう頭では考えても、
ドキドキする胸の高鳴りが、キュンとする胸の苦しさが、
全力で私に訴えかけている…私は、ソヌが好きなんだと…

SN「なぁ…怒ってる?」

「ううん…別に怒ってない」

SN「……やっぱ怒ってんだろ?」

「怒ってないってば…」

遅れて来たから怒られると思ったのか、さっきからずっと私の顔色を伺ってるソヌ。
私の態度がいつもと違うから疑ってるみたいだけど、本当に怒ってるわけじゃなくて、
気づいてしまった気持ちに動揺して、どうしたらいいのか分からないだけ…

SN「まぁ…怒ってないならいいけどさ」

「遅くなったし…もう帰ろう」

SN「え…あぁ…」

何かいつもと違うとでも言いたげな顔をしてこっちを見るソヌだけど、
その瞳を真っ直ぐに見る事が出来ない私は急いで家庭科室を出て歩き始めた。
2人で並んで歩く、暗くなり始めた静かな廊下…
ソヌと2人きりの時間なんて今まで飽きるくらい過ごしてきたのに、
いつもどうやって歩いてたか思い出せなくて、何を話したらいいのか分からなくて、
緊張して…凄くドキドキしてる…

SN「本当に…悪かったよ」

「え?」

SN「いや、だから…待たせた事。
　部活終わるの遅くなってさ、
　急いだんだけど…悪かったな」

「いいよ、そんなに謝んなくて
　本当に怒ってないから…」

勘違いして謝り続けるソヌに呆れながらそう言って、ふと思った…
どうしてソヌは告白された事を私には言わないんだろうって。
今日遅くなったのは部活が長引いたのだけが原因じゃないって、どうして言わないんだろう…
人に言いふらすような事じゃないのは分かってるけど、
ソヌは今まで一度も、告白された事を私に話てくれた事はない。
前の時だってジョンファンが教えてくれたから知っただけで、
私が聞かなかったらソヌは告白された事を言わなかったと思う

「…ソヌさ…」

SN「ん?」

「…ううん、やっぱり何でもない…」

告白されてなんて返事したのか、聞いてみたいけど思い切って聞く事が出来ない私。
前の私なら何の迷いもなくさらっと聞けたのに、今はそれが出来そうにない…
聞きたい事も知りたい事も沢山あるのに、
好きだって気づいた途端、どうして上手く言葉に出来ないんだろう…

　