163：謎の行き先 ページ16
2年生になって一週間、新しいクラスにも慣れて友達だって沢山出来た。
だけど…朝教室で待ってても来るのはジョンファンだけでガッカリしたり、
授業中暇だなと思って隣を見ても居るのはジョンファンだけで寂しい気持ちになったり…
私はこの一週間、そんな事を何度も繰り返しては落ち込んでいる。
ソヌは約束通り、お昼休みにはこっちのクラスに顔を出してくれるから、
授業が終わって廊下からソヌの姿が見えると嬉しくて、
授業と授業の間の短い休み時間も来てくれないかなって、
いつも廊下を見ながらソワソワしてる自分が不思議でたまらない…。
何で私…ソヌの事ばかり考えてるんだろうって。
少し前まではジョンファンが全てだと思ってたのに、今はソヌの事で頭がいっぱい…
どうして…頭から離れないんだろう…
「遅いな…」
部活も終わり1人になった家庭科室で迎えを待ってる私は、
遅すぎるソヌの登場に痺れを切らしてそう呟いた。
たまに来るのが遅い時は音楽を聴きながら待ってるんだけど、それにしても今日は遅い。
部活が長引いてるのかもしれないし、掃除をさせられてるのかもしれないけど…
「…たまには行ってみるか」
いつも迎えに来てもらってばかりだから今日はこっちから行って見ようと、
私は滅多にない状況に少しワクワクしながら急いで家庭科室を飛び出した
「あれ…もう終わってるのかな」
走って来てみたけどバスケ部はもう居なくて、静まりかえった体育館内。
どこに居るのかと部室の方を見てみると、ゾロゾロ帰っていくバスケ部員達が居て、
その中に居るジョンファンの姿を見つけて声をかけると、
珍しい私の登場にジョンファンはとても驚いた顔をした
JF「あれっ、A?どうしたの?」
「部活今終わったの?」
JF「うん、ちょっと前に終わったよ」
「そっか、じゃあソヌはまだ部室の中?」
JF「ソヌ?ソヌならさっき走って出てったよ、
中庭に寄らなきゃいけないから
急がないとって言ってたけど」
「中庭?なんで?」
JF「さぁ、良く知らないけど何かあるんじゃない?」
「そう…なんだろ中庭って…」
JF「じゃあ僕先輩の所に行ってくるから!!」
「あっうん、ごめんね引き止めて」
「バイバーイ」と手を振るジョンファンを見送って、私はソヌを探すために中庭へと足を向けた。
家庭科室に急ぐなら分かるけど中庭に走って行くなんて、そんな所に一体何の用があるんだろう…
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作者名：のん | 作成日時：2016年9月4日 21時
