158：敵わない相手 ページ11
-ソヌside-
男子「あっソヌ、同じクラスかよ!!」
SN「なんだ、お前もこのクラスか!!」
新しい教室には見覚えのある顔のヤツがたくさん居た。
1年の頃から同じクラスだった奴、同じバスケ部の奴、友達の友達で知り合った奴、
友達は多い方だから新しい教室の中でもほんの少し景色が変わったと思うだけで特に支障はない、
だた…もう隣りの席にAは居ないってだけ…
さっきクラス替えの表を見てAとは違うクラスだと知った瞬間、
寂しかったと同時に“やっぱりか…”と心の中で呟いた。
何でかは分からないけど、そうなるような気がしていたから…
Aとは離れてしまうような、俺達はそんな運命なんじゃないかってそんな気がしてた。
だからAと同じクラスだと言ってはしゃぐジョンファンを見て、
羨ましくも少しだけ憎らしく思った俺。
どうやってもジョンファンには敵わない、そう言われてるみたいに感じたんだ…
俺と違うクラスだと知って悲しんでくれたAの反応が唯一の救いで、
悔しくて潰れそうだった俺の心が、それだけで少し救われた気がした。
2人で落ち込んでも仕方ないから“いつまでもそんな顔するな”なんてAには言ったけど、
本当は俺だって凄く落ち込んでたんだ、もしかしたら…俺の方が落ち込んでたかもしれない
“「はい、おはよー」”
“「おはよーございまーす」”
ガラッと扉が開き新しい担任がやって来て、新しい学年がスタートする
SN「……」
つまらない新任の挨拶を、珍しく真剣に聞いている俺。
今までだったら隣りに居たAとくだらない話しをしてたのに、
今隣りを見ても知らない女子が座ってるだけだから、前を向くしかない…
SN「…つまんねぇーの…」
先生の長話に早々と飽きてしまった俺は、そう小さく呟いて隣のクラスに思いをはせた…
今頃Aも新任の無駄に長い話しを聞いてるんだろうか、
今の俺と同じように、つまらないと机に頬杖をついてるんじゃないだろうか…
でももしかしたら…ジョンファンとくらだない話しで笑い合って、
先生の話しなんか少しも聞いていないかもしれない…
SN「何してんだろな…」
俺の事を少しは考えたりしてくれるのか、
どの席に座ってるのか、誰の隣りに居るのか、どんなヤツと友達になったのか…
新任の挨拶が終わったのも気づかないくらい、さっきから考えるのはAの事ばかり。
Aは今頃…何してるんだろう…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん | 作成日時：2016年9月4日 21時
