096：ため息の数 ページ47
SN「着いたぞ」
「ありがと」
ソヌと一緒に遊園地に到着し、自転車を降りて行うのは深呼吸と笑顔の練習。
昨日の夜は全然眠れなくて、どんな1日になるのか不安で仕方なかったけど、
今日はずっと笑って居ようって自分で決めたから。
きっと笑っていれば1日なんてすぐに過ぎるはず、
私も皆と一緒に遊園地を楽しめばいいんだって自分にそう言い聞かせた
SN「まだ来てないみたいだな」
「うん、私達の方が早かったみたいだね」
辺りを見渡してもジョンファンと先輩の姿は無くて
集合場所だと前もって決めていた入り口付近で待つ事にした私とソヌ。
壁に寄りかかりながら気怠そうに立ってるソヌだけど、
さっきは“辛かったらちゃんと言えよ”なんて言ってくれて凄く頼もしかったし、
今の私にとっては唯一の救いのような存在だって思う
JF「2人ともおまたせー!!」
数分経った所で、そう言いながら小走りで私達の元へやって来たジョンファン、
その後ろから「Aちゃんおはよう」なんて言う先輩の笑顔にペコリと頭をさげた私。
そして4人揃った所で中に入りパンフレットを見ながら何に乗るか考えてる最中
「お化け屋敷行ってみたい!!」と言った私の言葉にソヌは顔を強張らせた
SN「えっ、お化け屋敷!?」
「なに…嫌なの?」
SN「いや…そういうわけじゃ…」
JF「僕はジェットコースター!!」
「あっ、それもいいね!!」
SN「…ジェットコースター…」
「…なに、もしかしてソヌ怖いの?」
私が笑いながらそう言うと「そんなんじゃねぇよ!!」なんて焦って答えるソヌ。
遊園地には興味ないとか言ってたけど、本当はお化け屋敷もジェットコースターも怖いから来たくなかったんじゃないかって、ソヌが意外と小心者だと分かり、
私は怖がる顔を見てやろうとニヤつきながら「じゃあジェットコースターから行こう」と提案した
JF「うん、いいね!!先輩大丈夫ですか?」
SY「うん、私は大丈夫だよ」
先輩からの了承も得て「じゃあ行こう!!」と跳ねる様に歩き出すジョンファン。
そして前を歩く2人の背中を眺めながら歩く私とソヌ…
「はぁ…」
SN「ため息出てるぞ」
「あ…ごめん」
今日を楽しもうとどんなに頑張って笑っても、
知らず知らずの内に出てしまうため息が私の本心を表していて、
2人が楽しそうに話しながら歩く姿を後ろから見てるのは、本当に…地獄でしかなかった
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
