好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ43)

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092：奇跡みたいなものページ43

SN「何て返事が返ってくるのか、
　そんな事ばっか気にしてたら
　勇気も勢いも出てこねぇぞ」

「え…」

SN「相手の答えを気にしたり、
　答えが欲しいから告白するっていうのは
　なんか違うと俺は思う」

珍しく真面目な顔をしてそう話したソヌに、「どういう事?」と首を傾げた私

SN「いや、だから…告白って自分の気持ちを
　伝えるためにするもんだろ?
　相手に答えをもらうんじゃなくて、
　自分がどれだけ好きか伝える。
　それが告白ってもんだと思うけど」

そんなソヌの言葉が思いの外胸に響いて、私は少し動揺した…
確かに私はジョンファンの答えばかり気にしてて、
どうせフラれるんだ…とか、フラれたらどうしよう…とか、考えてたのはそんな事ばかり。
告白は自分の気持ちを伝える事だって、
分かっていたつもりでもソヌに言われてハッとして、
自分が答えばかり求めていた事に気づかされてしまった

「自分の気持ちを伝えるのが告白か…」

SN「まぁ、俺もそんな偉そうな事言いながら
　出来ればＯＫもらいたいとか思うけどな」

「ははっ、やっぱそうなんだ」

SN「そりゃそうだろ、
　好きな人に好きだと思われたいって
　考えないやつなんていねーよ」

「うん、そうだね…」

好きな人に好きだと思ってもらいたいって世界中の誰もがそう考えるのに、
現実になるのは奇跡みたいなもの…
だけどそれでも、勇気を出して気持ちを伝えないと始まりもしないんだ

「ソヌって意外にちゃんと考えてるんだね」

話してる間に家に辿り着き、自転車に鍵をかけてるソヌにそう言うと
「どういう意味だよ」と返って来た返事

「だって、
　いつも適当な事しか言わないからさ」

SN「俺はボーっと生きてるAとは
　違うんだよ」

「私だっていつも
　ボーっとしてるわけじゃないもん!!」

私がそう言うと「はいはい」とムカつく返事をするソヌ。
「もう知らない!!べーっだ!!」と舌を見せながら玄関に入る私を
呆れたように見ながらソヌも家に入っていった。
最後の最後はいつも通りでムカついたけど、
今日聞いたソヌの考えが私の脳みそなんかよりも凄く大人で、
ちょっとだけ尊敬したし、ほんの一瞬だけどカッコイイなって思った

「気持ちを伝える…か…」

私もいつかジョンファンにこの気持ちを伝える事が出来るのかな…
好きだって…そう言える日が来るのかな…

　