053：全部同じだったら… ページ4
課題はちっとも進んでないのに時間だけが進んでて、部活生も皆帰る時間帯。
先に帰ってしまった部員の子に遅れながら、私も帰る事にした。
「今日も進まなかったなぁ」
結局殆ど進まなかった課題の道具と全ての裁縫道具を鞄に詰めて
窓の戸締りを確認した後家庭科室を出て廊下を歩いていると
自然と体育館の方へと導かれて行く私の体。
体育館にまだ何人か残っているバスケ部員を見ながらジョンファンを探して
ここで偶然会えたりしないかななんて思って、
夏休みに入ってからいつも帰りに体育館近くをうろついてるのは私だけの秘密だ…
「もう終わってるはずなのに…」
ウロウロしてたら会えそうなのに、まだ一度もジョンファンと会った事はない。
体育館の中を覗いて見てもやっぱりその姿は無くて、
「やっぱりダメか」とため息交じりに吐きながら、私は諦めて1人で帰る事にした。
これは偶然だと言い聞かせ装いながら
全然偶然だとは思えないくらい必死にジョンファンを探してる自分が、
時折たまらなく可笑しく寂しく思えて来るのが最近の悩みだったりする
“「Aーー!!」”
校門の前まで歩いてきた時、私を呼ぶ声が聞こえて驚いて振り向くと
「あぁ〜良かった追いついて!!」なんて、汗を流しながら笑ってるジョンファンの姿が
「え、ジョンファン…」
JF「会えて良かった!!一緒に帰ろうよ!!」
「えっ、あぁ、うん」
まさか会えるとは思ってなかったから急な出来事に緊張して胸がドキドキして、
久しぶりに見たジョンファンの笑顔に段々と緩んで行く私の頬
「じゃあ一緒に帰ろう。あれ…でもソヌは?」
辺りを見渡すけどソヌの姿は無くて、
いつも2人は一緒に居るのに珍しいな…なんて思っていると
「なんか先生に呼ばれてるらしいよ」なんて答えたジョンファン
JF「職員室に行くから先に帰れって言ってた」
「そうなんだ…」
JF「だから一緒に帰ろっ」
「うんっ」
先生に呼び出されるなんて何かあったのかなとソヌを気にしながらも、
久しぶりにジョンファンと2人になれてウキウキと弾む心。
「Aと2人で帰るの久しぶりだね!!」なんてジョンファンが言うから
「私も今そう思ってた!!」って返して2人で笑い合って…
JF「僕らって考えてる事同じだよね!!」
そう言ったジョンファンの考えが全部同じならいいのに…
全部私と同じ事を思ってくれてたら良かったのにって、ふとそんな事を考えた…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
