075：気になる会話 ページ26
二学期が始まり、あっという間に過ぎて行った二週間。
いつもの様にぼんやりと眺める教室の窓から見える空の雲は、
夏の入道雲から、秋のうろこ雲へと変わろうとしていた
JF「ねぇA、何かしようよ!!」
昼休みの最中、いきなり訳のわからない事を言いながら後ろを向いてくるジョンファンに
「…何かってなに?」と眉間に皺を寄せた私
JF「うーん、分かんないけど…
夏が終わっちゃう前に何かしようって事!!」
「夏が終わる前に?」
JF「そう!!だって夏休みは海にも行けなかったし
一緒に遊びにすら行ってないんだよ!?」
「このままじゃ夏を終われないよっ」なんて、
ジョンファンは唇を尖らせ不満気に机を叩きながら悔しそうに話してる
「まぁ確かにそうだね…」
JF「でしょ!!でしょ!!」
「…でも何するの?」
JF「それなんだよ…海に行くにはもう遅いし…」
「うーん…じゃあ花火とかは?
夏っぽくて良くない?」
JF「花火か!!良いね良いね!!」
「花火にしよう!!」なんてひとしきり盛り上がった後、
さっきから姿の無かったソヌの存在にようやく気が付いたのか
「あれ?そういえばソヌは?誘おうと思ったのに」なんて辺りを見渡してるジョンファン
「ソヌならトイレ行ってる」
JF「そっか、まぁ花火ならソヌも賛成だよね!!
3人で遊ぶのって久しぶりだから楽しみだな」
「本当に久しぶりだね
あ、でも日にちはいつにする?」
JF「う〜ん…今度の土曜とかは!?」
「うん、私は大丈夫だよ」
JF「じゃあ後はソヌか」
「ソヌもどうせ暇してるって」
JF「まぁそっか、じゃあ土曜の夜で決まり!!」
夏らしい事も出来ずに終わって行くと思っていた今年の夏だけど、
ジョンファンのおかげで楽しくなりそうだと心から喜び笑っていた私。
そんな私達の会話に水を差す様に誰かがジョンファンの名前を呼んで、
その声に振り向いた私の顔からは一気に笑顔が消えて行った
SY「ジョンファン君っ」
JF「あっ先輩!!」
廊下から教室を覗き手を振っているスヨン先輩、
そんな先輩の姿を見るや否や急いでドアの方へ駆け寄って行くジョンファン。
私は先輩と目が合った瞬間、軽くお辞儀をして目をそらした。
校内の人気者であるスヨン先輩の出現で教室内はざわついていて
私はそんなの気にも留めないフリをして黒板を眺めていたけど
本当は2人が何を話してるのか知りたくて後ろのドアに全神経を集中させていた…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
