好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ24)

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073：最後の夜ページ24

「ごちそうさま…」

ｵﾝﾏ「ん?もう食べないの?」

「うん…今日はもういらない」

いつもはご飯をおかわりだってする私が好きなおかずを残すもんだから、
不思議そうな目で私を見て来るオンマ。
「夏バテかしら」なんて心配そうにオンマは言うけど、
食欲がないのはそんな事が理由じゃないって分かってる

「はぁ……」

オンマの言葉に耳も貸さず部屋に戻って来た私は、ベッドに寝そべり天井を見上げた。
そして思い出すのは今日一日の出来事…
いつも良い事があった日は笑い、悪い事があった日は涙が出るのに、今日はなぜかどっちでもない…
それは今日一日が良い日だったのか悪い日だったのか、自分でもよく分からないから。
ジョンファンと仲直り出来たんだから良い日なのかもしれない、
だけど何故か心は沈んでいて、笑う事が出来ないんだ…

「１番…か」

1番大事だと思ってくれてるのは凄く嬉しいのに、
“友達”という言葉が付いた瞬間一番聞きたくない言葉に変わってしまう

「友達…ずっと…永遠に…」

…分かってる、ジョンファンがそういう意味で言ったんじゃないんだって、
たぶん本当に私とずっと友達で居たいって思って言ってくれたんだって思う。
でも私には“友達にしかなれない”“友達としか見れない”
そう言われてるみたいに聞こえて仕方が無かった

「…友達…」

『友達で居たい』『大事な友達』…思い返せば私も、ソヌにそんな事を言った気がする。
あの時は私なりに色々考えて良かれと思って言った言葉だったけど、
今思えばなんて残酷な事を言ってたんだろうって、胸が痛くなった。
どんな状況であろうと、好きな人から友達なんて言われて嬉しいはずがない、
それは私が1番良く分かってたはずなのに…

「私…ソヌにも酷い事言ってたんだ…」

何も知らずに言ったジョンファンより、
ソヌの気持ちを知ってて友達なんて言った私の方がよっぽど酷い事をしてるのかもしれない。
もしかしたら今の私みたいに胸が苦しくてご飯も喉を通らない、
そんな思いをソヌにもさせていたのかと思うと申し訳なくて仕方が無かった

「はぁ…どうしよ…」

明日からまた始まる学校生活。
夏休みのたった1ヵ月で私の心境は益々複雑になっていて、
ジョンファンともソヌともどんな顔をして会えばいいのか答えが見つからないまま
私の夏休み最後の日は終わり、朝を迎えようとしていた…

　