072：守れなかった誓い ページ23
「えっと…あの…」
急過ぎて何の準備も出来ず、上手く伝えたい言葉が出て来ない私。
でも私の気持ちがどうであれ酷い事を言ってしまったのは事実だから、
弁解するよりも前にまずはちゃんと謝ろう。
そう心に決めて、私はジョンファンに一歩近づいた
「ジョンファン…この前はごめん
酷い事言って…本当にごめん。
でもあの時言った事は
本当に思ってるわけじゃなくて…」
JF「じゃあ…なんであんな事言ったの?」
「…それは……」
やっと応えてくれたジョンファンの言葉に、私はまた言葉を失った。
どうしてあんな事を言ってしまったかなんて、正直には答えられないから…
「それは…その…寂しかったから…
最近いつも先輩の話しばっかりで
私の事なんて忘れちゃったのかなって…
ジョンファンを取られちゃったみたいで
寂しくて八つ当たりしちゃったんだ」
嘘をついたわけじゃない…でも肝心な言葉を隠したままの私の話しを聞いて
「そんな事だったの?」なんてジョンファンは目を丸くして驚いたかと思うと、
次の瞬間大きく息を吐きながらホッとした表情を見せた
JF「はぁーなんだそうだったんだ!!
僕はてっきりAに
嫌われたちゃったのかと思ったよ」
「えっ、そんな事あるわけないよ
私がジョンファンを嫌いになるなんて…」
JF「Aにあんな事言われたの初めてだったからさ
僕の事嫌いになったのかなって寂しかったけど
そうじゃなくて良かったぁ」
心から安心したような顔つきでそう言って
「でもそんな事で怒るなんてAはやっぱりバカだな」なんて笑うジョンファン
「だ、だって…」
JF「いくら僕が先輩を好きでも
Aは1番大事な友達なんだから
Aの事忘れるわけないじゃん!!」
…1番大事な…友達…
JF「僕達はずーっと
これからも永遠に友達でしょ!?」
「…うん」
…ずっと友達……永遠に…
JF「えっA!?何で泣いてるの!?」
「う、嬉しくてっ…
仲直りっ出来て…嬉しくてっ」
JF「もーびっくりした!!
泣くなんてAは大袈裟だなぁ」
「ははっ…だよね」
…ジョンファンと仲直り出来た事は本当に嬉しかった。
でも切なくて切なくて、我慢できなかった涙…
『友達』そんな些細な言葉ひとつでこんなに切なくなるなんて思ってもいなくて
“ジョンファンの前では泣かない”そう決めた誓いを、私は守り通す事が出来なかった…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
