好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ21)

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070：今言える事ページ21

夕日が沈むまで海を眺めた後、自転車に乗って家路へと向かっている私達。
…正直、また告白されるなんて思ってもいなかったから凄く驚いて、
ソヌの言葉も半分くらいしか入って来なかった気がする…
私の事を気にしてくれてるのは友達だからだと思ってたけど、
まさかずっと好きで居てくれてたなんて…
私に向けられたソヌの真っ直ぐな気持ちに一瞬揺らいでしまいそうになったけど、たぶんそれは恋じゃない。
好きなんじゃなくて、ただ辛い恋から逃げたくてソヌに甘えようとしただけ。
ソヌの事、凄く大切だと思ってるからこそ曖昧な態度はとりたくなくて、
私は2度も告白を断る事になってしまった…

SN「なぁ…」

自転車をこぎながら後ろに居る私をチラッと見て話しかけて来たソヌ

「ん?…なに?」

SN「ちゃんと仲直りしろよ、ジョンファンと」

「……」

SN「酷い事言ったって後悔してるんだろ?」

そんなソヌの問いかけに私は小さくうなずいた

SN「素直に謝れば許してくれるって」

「…許して…くれるかな」

あんなに酷い事を言ってしまったのに、ジョンファンは私を許してくれるだろうか…

SN「大丈夫だよ、あいつなら許してくれる。
　もしAが謝っても許さなかったら
　俺が怒ってやるから」

「うん…ありがと」

ソヌの言葉に励まされながら、私は恋の難しさを痛感していた。
こんなにも私を思ってくれてる人をなぜ私は好きになれないんだろう、
私の好きな人がソヌだったら今頃とても幸せな気分で居られたのに…って

SN「じゃあ、元気出せよ」

家に到着して玄関まで辿り着くと、そう言いながら笑顔を見せたソヌ

SN「大丈夫だって、絶対仲直り出来る」

「…うん」

SN「じゃあな」

「うん…またね」

覇気のない返事を返し家に入ろうとした私、
でも何か心がスッキリしないような気がして私はもう一度ソヌの名を呼んだ

「ソヌっ」

そんな声に気付いたソヌが驚いた顔をしてこっちを見てる

SN「?…どうした?」

「…私…私頑張るから、
　ソヌの気持ちもソヌがくれた言葉も、
　無駄にしない様に精一杯頑張るからっ」

私の事を好きだと言ってくれるソヌを受け入れる事は出来ないけど、
せめてソヌの応援を無駄にしないように精一杯この恋を貫こうって決めたんだ。
そしてそんな私の決意に気付いたのか、
ソヌは私の言葉に「失望させるなよ!!」なんて笑っていた…

　