062：見たくない未来 ページ13
ｵﾝﾏ「Aー帰ったの〜?」
家に着き扉を開けると聞こえて来たオンマの声、
だけど私はただいまも言わずに家に入り、オンマの言葉も無視して部屋に入った。
今誰かと話したらその人に八つ当たりしてしまいそうで、
このイライラを、どうしようも出来ないイライラを誰かにぶつけてしまいそうだったから…
「……ムカつくっ」
手元にあったぬいぐるみを投げたら壁にあたって、見事に下に落ちた壁のインテリア。
だけどそんなんじゃこの気持ちは治まってくれなくて私は枕に手を伸ばしたけど、
さすがに自分の部屋をめちゃくちゃにするわけにもいかず、怒りで震える手で枕の端を握った。
さっきからこんなにもイライラするのは、きっと自分に怒ってるからだ。
なんであの時私もジョンファンが好きだってちゃんと言えなかったんだろうって…
ジョンファンへの気持ちは負けないなんて思いながら、
いざ先輩を前にすると自分の気持ちすらちゃんと言えなかった
「…バカA…いくじなし…」
本当に…自分が情けなくてしょうがない。
先輩の話しをただ聞く事しか出来なくて、
言いたい事は山ほどあったのに何一つ口にする事が出来なかった…
今になって言えば良かったなんて思ってももう遅くて、後悔と怒りだけがこみ上げてくる。
…思えば、私はいつもそうだ。
ジョンファンに私の事を好きになって欲しいのにいつも泣いてるだけで何もしようとしてない、
そんな考えが甘い自分に腹が立つし、そこまで分かってるのに何も出来ない自分にもっと腹が立つ
「どうしたらいいのっ…」
これからの事を考えると止まらない涙、私はそれを拭う様に握っていた枕に顔を埋めた。
2人の気持ちを知ってしまった私はこれからどうすればいいんだろう、
応援するべき?なんて一瞬は考えたけど、そんな事私には出来そうにない。
ジョンファンを好きな気持ちをそう簡単に忘れる事は出来なさそうだから…
「…どうしようっ‥」
もしかしたら、2人が付き合い出すのは時間の問題かもしれない、
そう考えるとソワソワして居ても立っても居られなくなる私。
迫り来る最悪の現実をただ待つことは出来なくてどうにかしなきゃってもがいてみるけど、
もがけばもがく程私は泥沼にハマっているような気がして
この先にある未来を見るのが怖くなっていた…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
