061：質問の意図 ページ12
隣で歩きながらニコニコと私に笑いかけてくれるスヨン先輩。
そんな先輩が悪い人じゃないって、そんなの分かってる…
分かってるけど…やっぱり好きになれそうにはない…
SY「Aちゃんは何の部活に入ってるの?」
「手芸部です」
SY「えっ、そうなんだ、私の予想では
運動部に入ってるイメージだったけど」
「いえ…私運動は得意じゃなくて」
SY「そっか〜!!なんかちょっと意外だな」
そう言って笑う先輩の笑顔はキラキラと輝いていて、
ジョンファンはこの笑顔が好きなのか…なんて冷静に考えてる自分に驚いた。
先輩は私が思ってた雰囲気とは違って、とてもフランクで接しやすい人みたい
SY「ねぇAちゃん…
Aちゃんに聞きたい事があるの」
そう言いながら歩くスピードを落としていくスヨン先輩
「…なんですか?」
SY「Aちゃんは…
ジョンファン君の事どう思う?」
「……え?」
SY「Aちゃんはジョンファン君の事好き?」
ジョンファンの事をどう思うかなんて聞かれて最初は意味が分からなかったけど、
少し聞きづらそうに顔を赤くしてる先輩を見て、あぁ…そういう事かなんて納得した。
「…ジョンファンの事…ですか?」
SY「うん、そう……あのね、実は私…
ジョンファン君の事が好きなの」
「……」
SY「だからAちゃんはどうなのかなって
聞いておきたくて…」
そんな先輩の言葉を聞いて私は少しイラついていた。
もし私がジョンファンを好きだったらどうするつもりなんだろう、
私も好きだって言ったら先輩はあきらめてくれるの?
そんな中途半端な想いでジョンファンを好きだなんて言わないでよ…
「私は…」
SY「……」
「私は……そんなんじゃないです
ジョンファンとは…ただの友達で…」
腹の中は真っ黒で、心の中では言いたい事言えるのに、
いざ口に出すと本当の事が言えない弱い自分に腹が立つ
SY「本当!?良かったぁ」
私の答えで気分が晴れたのか歩く足取りが軽くなる先輩
SY「ごめんね、変な事聞いちゃって」
「いえ…全然」
SY「じゃあ私はこっちだから」
「はい、それじゃあまた…」
SY「うん、またねAちゃん!!」
帰る方向が逆で、校門を出た所で手を振り帰って行く先輩の後姿を眺めた私…
出来ればもう…先輩とは会いたくない、
そんな事を考えてしまう黒い自分が心の中に居た
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
