好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ2)

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051：噂をすればページ2

私とソヌが付き合ってないと知るや否や、
その子は少し嬉しそうな、ちょっと期待外れみたいな顔をした後
「じゃあソヌ君が好きな子は誰か知ってる?」なんて質問してくるから
私の顔は一瞬にして凍った様に固まった

部員「Aちゃん仲良いなら
　知ってるんじゃない!?」

「え、いやっ…そこまでは…」

引きつって笑いながら首をかしげて誤魔化す私を見て
「そっかぁ…」なんて残念がってるその子。
ソヌが好きなのは私です。なんて言えるわけがない…

「で、でも何で?」

部員「この前クラスの子がソヌ君に告白したんだけど
　好きな子が居るって断られたんだって」

「そ、そうなんだ」

部員「そう、だから皆ソヌ君の好きな子が
　誰なのか知りたがってるみたい」

「へ、へぇ…」

…って、そんな話し聞いたら本当の事なんて益々言えないし、
告白されたけどフリました。なんて死んでも言えそうにない…
でもそれよりも、ソヌが告白されてたなんて事の方が私はビックリだ。
私には何も言ってなかったくせに…

部員「ねぇ、もし分かったら教えてね!!」

それだけ言うと満足したのか、また針を持って手を動かし始めるその子に
「あぁうん…」なんて生ぬるい返事をして私もまた針を持ってみたけど、
さっきより集中できなくて手が進まない。

部員「あ、私ちょっと職員室行ってくるから
　道具見ててもらってもいい?」

「うん、いいよ」

何だか一気に色んな話しを聞いて頭が一杯になった私は
1人になった家庭科室で大きなため息を吐いた。
そして全く進まない針を置いて席を立ち窓際へと向かい窓の外を見下ろすと
学校のグラウンドと体育館が見えて
あの中にジョンファン居るのかなぁ…なんて、思いながら体育館を眺めた

「ってか…付き合ってるって」

ソヌと私が付き合ってるって、思い出すだけでも笑えてくる。
それにその噂にも驚いたけど、ソヌがそんなに人気あるのにも私的にはビックリだ

「まぁ…確かに顔はカッコイイか…」

改めてその顔を思い出しながらそう呟くと
「それって俺の事?」なんて声が後ろから聞こえて、
振り向くとドアの前にニヤニヤしてるソヌが居た

「おっ噂をすれば」

SN「なに、本当に俺の事!?」

「いや、違う」

SN「なんだよそれっ」

ちょっと脹れてそう言いながら家庭科室の中に入ってくるソヌ。
ソヌが家庭科室に来たのが1人の時でよかったと私は本気でホッとしていた

　