好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ1)

今日:27 hit、昨日:1 hit、合計:20,565 hit

050：笑える噂ページ1

あっという間に時間は過ぎ、夏休みに入ってもう1週間。

「行ってきまーす」

夏休みに入ってるって言うのに今日も制服を着て家を出るのは、
部活での課題制作の為に学校に通ってるから。
それはジョンファンとソヌも同じみたいで、毎日バスケ部の練習で学校に行ってるらしい。
“らしい”って言うのは、周りから聞いた情報だからで、
同じ学校の中に居ても2人にはなかなか会う事は無く、最近は挨拶すら出来てない。
たまに体育館の近くで見かけるけど、
試合が近いらしく練習でバテバテの2人に、私はいつも声をかけられずにいた

「はぁー…全然集中出来ないや」

学校に着き家庭科室で手芸道具を広げてみるけど、さっきから集中できなくて全然手が進まない。
早く課題を仕上げたいのに飽きてしまった私がフェルトでマスコットを作り始めていると、
「ねぇねぇ!!」と声を掛けてきた同じ部活の女の子の声に振り向いた私。
今日家庭科室に来てるのは私とその子の2人だけみたい

「ん?なに?」

部員「Aちゃんってソヌ君と仲良いの!?」

「ん?ソヌ?まぁ…普通に話すけど…」

部員「やっぱりー!!!
　一緒に帰ってるのを見た事あるって
　みんな言ってたから!!」

「あぁ…家が近いからね」

ってか隣りだけど…

部員「えー!?いいなぁ!!」

“羨ましぃ!!”と言いながら私の肩をブンブン揺らしてくるその子に
私は何が羨ましいのかと眉間にしわを寄せた

「う、羨ましい?…ってなにが?」

部員「何がって、ソヌ君と仲良いのがだよ!!
　ソヌ君って人気あるんだよっ!!」

「え……そうなの?」

部員「そうだよ!!知らなかったの!?
　カッコイイしスポーツも出来るし
　私のクラスにソヌ君好きな子一杯いるよ!!」

「へーー」

私の質問に凄い勢いで力説してくれたけど、
そんな話しにはこれっぽっちも興味ないし、
第一ソヌがそんなに人気あるなんて全く信じられない

部員「それでさ…2人は付き合ってたりするの?」

「付き合う?…誰が?」

部員「だからっ!!Aちゃんとソヌ君!!」

…私と…ソヌ?

「ぶっっ、何それっ」

私とソヌが付き合うなんて、あまりにもあり得なくて面白過ぎる話しに噴き出すと
「えー違うの!?」なんて本気で驚いてるその子

部員「2人は付き合ってるって噂だよー!?」

「違う違うありえないって」

私は目に涙を浮かべ笑いながらも、
噂って怖いな…なんて事を密かに考えていた

　