080：夏の思い出 ページ31
JF「あっ、2人共こっちこっち!!」
公園に入るとすぐにブランコの近くで私達を手招きしてるジョンファンが居て、
その横には笑顔でこちらを見るスヨン先輩の姿も…
「ごめん遅くなって、来るの早かったんだね」
JF「ううん、大丈夫だよ」
「僕達も今来た所だから」なんて言ったジョンファンの言葉の“僕達”って所に引っかかって、
一瞬ピクリと眉をひそめた私
SY「Aちゃん久しぶりだね、
今日は誘ってくれてありがとう」
「いえ、そんな…」
SY「ソヌ君もありがとう、
いきなり参加しちゃってごめんね」
SN「いや、俺は全然」
お互い気を使い合う様な何だかよそよそしい空気に包まれる私達、
でもたった一人、ジョンファンだけはその空気を感じていないのが功を奏したのか
「さっそく花火しようよ!!」なんて明るく発せられた一言で、
私達もようやく各自持ってきた花火に目を向けた
「どれからする?」
SN「やっぱ線香花火は最後だよな」
JF「じゃあこっちのからやろうか!!」
そう言って普通の手持ち花火を取り出すジョンファン、
私も1つ受け取り「火つけて」と手に持っていた花火をソヌに向けた
SN「……おっ、付いた付いた!!」
「わぁー!!!キレー!!!!」
SY「綺麗だね!!」
JF「いいね!!夏って感じするっ!!」
４人とも手持ち花火を1つつけただけでこの騒ぎ、
ソヌなんて“俺も俺も!!”なんて言いながら急いで花火に火をつけてる
JF「はい、先輩これ」
SY「あ、ありがとう」
わざわざ花火に火を付けてから先輩に渡すジョンファンは、私が知ってるいつもの姿じゃなく、
友達には見せないその一面を見てしまった気がして、少し寂しくて顔を伏せた。
でも次の瞬間「Aっ」と名前を呼ばれ振り返ると、
ケラケラ笑いながら花火を私の方に向けてくるソヌが…
「危ないからやめてよ!!」なんて怒る私を見て楽しくなったのか、益々調子にのってるその姿に、
5本の花火に一気に火を付け鬼の様な顔をしながら駆け寄った私
「そっちがその気なら容赦しないから!!」
SN「ちょっ、危ないだろっ!!」
「そっちが先でしょ!!」
SN「5本もやってないだろっ!!ズルイぞっ!!」
「そんなの関係ないですぅ〜!!!」
SN「うわっ、やめろって!!」
不本意ながらも公園中を駆け回る羽目になった私とソヌ、
ソヌを追いかける最中、私達を見て笑い合う2人の姿が少しだけ視界に入った…
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作者名：のん | 作成日時：2016年5月17日 21時
