好きな人には他に好きな人が居ます 2 (ページ28)

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077：真逆な2人ページ28

-ソヌside-

トイレから教室へ戻ってくると、どう見てもテンションが真逆な2人が席に居た。
明らかに嬉しそうに弾むジョンファンと明らかに機嫌悪そうに頬杖をつくA、
俺がトイレに行った数分の間に何かがあったようだけど、
何があったのか想像出来ないし、想像したくもない…

JF「あっソヌ、やっと帰ってきた!!
　待ちくたびれたよ!!」

席についた俺を見るなり異常な反応を見せるジョンファン、
それに反してAは、何もかも諦めた様なやる気の無い顔で空を眺めてる

SN「えっ…あぁ…え、なんかあった?」

JF「ソヌは今度の土曜の夜って空いてる!?」

SN「土曜?まぁ…別に何もないけど」

JF「実は土曜の夜に皆で
　花火しようって話しになったんだ!!」

SN「おぉーいいじゃん花火!!」

JF「でしょ!!でしょ!!ほらA
　ソヌも花火なら賛成するって言ったでしょ!?」

そんなジョンファンのウザ過ぎるくらいテンションの高い問いかけに
「うんそうだね」なんて、まるで定型文かの様な心無い返事を返すA。
俺が賛成するしない以前に、Aが賛成していない様に見えるのは気のせいなのか…

SN「ま、まぁ…
　夏の終わりに花火ってのもいいよな!!
　 3人で遊ぶのも久しぶりだし」

JF「うん!!それに今回は先輩も誘ったんだ、
　人数も増えて楽しくなるよ!!」

SN「…先輩?」

JF「うん、スヨン先輩!!」

SN「…あぁ」

ジョンファンのその一言を聞いて、なるほど。と
俺が居なかった数分間に何が起こったのか理解するのは簡単だった。
それでさっきからずっとAはこんな調子なのか

JF「あ、先輩誘ったの嫌だった?」

SN「え?」

JF「Aがいいって言ったから
　何も聞かずに誘っちゃったけど、
　ソヌは先輩とあんまり話した事ないし
　もしかして嫌だった?」

SN「いや…俺はそんな事ないけど…」

ってか、嫌だと思ってるのはAの方だろ。
なんて思いながらAを見たけど、
俺が何を言いたいか分かっているからか目を合わせようとしない

JF「ごめん、勝手に誘って…」

SN「別に、Aが良いならいいんじゃない?」

「……」

ちょっと嫌味を言っても全く反応を見せないA、
ぼんやり空を眺めるあの顔を見ると、相当ダメージを受けてるらしい。
面倒な事になる前に雨でも降ってくれないかな…なんて、
Aもきっと空を見ながらそう思ってるはずだ

　