047：寄り道 ページ47
SN「あいつまた1人で盛り上がってたな」
「ふっ、ジョンファンでしょ?」
SN「変な奴だよなぁー」
「うん、出会った時から変な奴だった」
自転車に乗って帰りながら盛り上がるジョンファンの話し。
1人で思い出すのは辛いけど、こうやって笑い話しに出来る相手が居て良かったって、
風と共に流れる景色を見ながら考えていると、
なぜかソヌは家とは全く違う方向に自転車を走らせ始めた
「あれっ、どこ行くの!?」
SN「ちょっと行きたい場所があって」
「どこ?」
そう聞いても「着くまで内緒」と言って自転車をこぎ続けるソヌ。
そんな言葉に私が「ふーん」とだけ答えてしばらくすると自転車が坂を上り始め、
その緩やかな坂が段々急な坂になってくるのが後ろに乗ってても分かる
「…私降りようか?」
SN「いや、いい」
「…ねぇ…やっぱり降りるよ」
SN「いいって!!大丈夫だからっ」
「でもっ…」
さっきから顔を歪めてどう見ても辛そうに坂を上ってるのに、
私が何度降りると言ってもソヌは降りなくていいの一点張り。
いくらいつも私がソヌは体力無いって言ってるからって、こんな事されたら逆に気使うし、
いつも私が後ろに乗ったら重いって言うくせに
なんでこういう時だけカッコつけてるのかわけわかんない
SN「はぁ…はぁ…」
「大丈夫?」
SN「全然っ…大…丈夫…」
どうやらようやく目的地に着いたみたいで、自転車を降りて肩で息をしてるソヌ。
全然大丈夫じゃないくせに平気そうに振る舞う姿に少し笑っていると
「こっち」と言いながらソヌが丘の上に続く階段を上り始めたから、
私も何も言わずにソヌの後をついていった
「ねぇ…まだ?」
SN「もうちょっと」
「えぇ…さっきもそう言ったじゃん」
SN「本当にもうちょっとだよ」
階段を上り始めてどれくらい経っただろう、
私はヘトヘトなのに2段先には余裕で登ってるソヌが居て
その後ろ姿を見ながらやっぱり体力あるんだなぁなんてちょっと関心したけど、
調子に乗るから本人には言わないでおこう…
SN「着いたぞ」
「え………うわぁぁ」
階段を上りきった場所にあったのは、街の景色が一望出来る綺麗な公園
「凄いっ!!!こんな所あったんだ!!」
ここまで登ってきた疲れも一気に吹き飛ぶくらい景色が綺麗で、
私は柵にもたれ気持ちの良い風を感じながら街中を見渡した
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作者名：のん | 作成日時：2016年2月12日 20時
