042：もうひとつの誕生日 ページ42
お互い自分の家の玄関前に居る私とソヌ、
手は届かないけどお互いの表情は見える距離…それが私とソヌの距離
「ははっ、そっか…ありがと」
ソヌから貰ったストラップを見た瞬間、嬉しいやら虚しいやらでこぼれた渇いた笑い。
まさか私がこれを欲しがってのを分かってくれてるなんて思わなかったし、
それに…たとえ偶然だとしても、今日プレゼントをくれるなんて思わなかった…
SN「別に…俺からそんなの貰っても
嬉しくないだろうけど」
「ううん…嬉しいよ、凄く嬉しい」
SN「それなら…良かったけど…」
「本当に嬉しいよ!!突然で驚いたけど
誕生日プレゼントだと思ってありがたく受け取るね」
SN「…誕生日?」
「うん、私の誕生日」
例え安いものでも理由も無く人から何か買ってもらうのは抵抗あるけど、
誕生日プレゼントと思って素直に受け取ろうと思いそう伝えると、
少しバカにした様に「何だそれ」なんて笑ってるソヌ
SN「誕生日って大袈裟な…
大体いつなんだよ誕生日」
「今日。だからプレゼントだと思って
遠慮なく受け取るよ」
SN「…は?今日?…今日が誕生日?」
「うん」
SN「うん。って…なんだよそれ…
ってかジョンファンは知ってんの?」
「さぁ…知らないんじゃないかな」
「聞かれた事ないし」なんて平然と答える私に呆れたのか怒ったのか、
ソヌは「なんでそんな軽く流せるんだよ」なんて言いながら大きなため息をついた
「ってか、なんでそれ早く言わないんだよ」
「なんでって…
自分から言うのも可笑しいじゃん」
SN「お前なんで笑えんだよ、なんでそんな…」
怒ったかと思ったら今度は悲しそうな顔をして…
私はそんなソヌにまた笑って答えた
「だって仕方ないでしょ、別にジョンファンとは
付き合ってるわけでもないし」
SN「……」
「でもソヌがこれくれたからそれで十分!!」
そう言いながらクマのストラップを見せながら笑うと
「お前…バカだな」なんてため息を吐きながら座り込んでしまったソヌ
SN「本当バカだよ…」
「…よく言われる」
だって…誕生日を祝われないより
聞かれてもないのに自分の誕生日だと言う方がよっぽど悲しいと思う…
それに可笑しくて笑ってるわけじゃない、
今は笑ってないと、ソヌと会話出来そうにないから。
可哀想で、バカで…
あー本当…今の私は世界一可哀想かもしれない…
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作者名：のん | 作成日時：2016年2月12日 20時
