005：勘ってやつ ページ5
JF「ねぇー今日の小テストどうだった?」
炎天下の空の下を2人で歩きながら帰っていると
浮かない顔をしてそう聞いてくるジョンファン
「全然ダメー…知ってるでしょ、私の学力。
で、ジョンファンは?」
JF「僕も全然ダメだった」
「まぁ、そりゃ小テストの事忘れて
勉強もしてなかったらそうだよね」
JF「Aだって、テレビに夢中で
勉強してないって言ったじゃん」
「ハハッ確かに」
JF「また2人で追試かぁ〜」
「はぁ…最悪」
JF「今回は何点だった?」
「え、私はねぇ…――――」
お互いのテストの点数を言い合って
酷い点数だと笑いながら並んで歩くいつもの帰り道。
ジョンファンとは家の方向が同じで
こうやって途中まで一緒に帰れるっていうのが
私が頑張って学校に行く理由の１つでもある。
2人で話すのは、テレビの話しや先生の悪口
その日の出来事とか取り留めの無い話しばかりで
毎日そんな下らない話しばかりだったのに、
それなのに…今日はちょっと違った…
JF「ねぇA…」
「ん?なに…?」
JF「Aはさ…好きな人とかいる??」
「え?……」
急に改まった表情でそんな事を聞いてきたジョンファン。
今まで一緒に過ごして来た中で
ジョンファンがそんな話しをしてくるなんて初めてで
私は少しドキドキしながら歩いていた足を止め聞き返した
「ど…どうして?いきなりそんな話し…」
JF「ヒヒヒっ、Aには言っちゃおうかな」
いつになくご機嫌な様子でそう言いながら
ニヤニヤしてるジョンファンを見て私は何だか嫌な予感がした。
なんだか分からないけど…女の勘ってやつ
「言うって…何を…??」
JF「フフッ、実は僕ねぇ…
好きな人が出来たんだ!!!」
「えっ……」
JF「誰にも言っちゃダメだよ!?
Aにだから話すんだからね!?」
「………あ、…うん……」
JF「で!!誰だと思う!?誰か知りたい!?!?
知りたいでしょ!!」
この上なく楽しそうに笑いながら
今にも跳ねだしそうな勢いでそう話すジョンファン。
いつもなら一緒に馬鹿みたいにはしゃげたのに、
この時の私の胸は踏み潰された様に凹んでいて
ジョンファンの笑顔にすぐに応える事が出来なかった…
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作者名：のん | 作成日時：2016年2月12日 20時
