040：可愛くない女 ページ40
帰り道、押していた自転車に跨ると
「乗れよ」とソヌが私を見ながら後ろを指差した
「いい」
SN「なんでだよ、早く乗れよ」
「だってどうせ私は重いんでしょっ」
SN「重いけどこのまま歩くよりマシだろ」
平然とした顔で私の言葉を肯定するソヌが頭にきて
「歩いて帰るっ」と早歩きで横を通り過ぎると、
「A!!」と呼びながら歩く私の腕を後ろから掴んだソヌ
SN「乗れって」
「いいってば!!歩いて帰るから
ソヌは先に帰ればいいでしょ!!」
SN「なんで素直に乗らないんだよっ」
「可愛くないなっ」なんて吐き捨てる様な言葉が気に食わなくて
私は手を振り払いながら、わざとソヌを怒らせるような口調で答えた
「どうせ私は可愛くないですよっ
歩いても帰れる距離なんだから放っといて」
SN「放っとけないから言ってんだろ!!」
「だから大丈夫だって言ってるでしょ!!」
SN「なにが大丈夫だよ!!
そんな足じゃ歩きにくいだろっ」
「……」
まさかソヌが気づいてるなんて思わなくて、驚きでつい立ち止まった私。
いつも履き慣れないサンダルを履いてきたせいで靴ずれした足が
本当はずっと痛かったけど、恥ずかしくて必死に我慢してた
「…大丈夫だもん…」
SN「嘘つけ、さっきから歩き方変なくせに」
「……」
SN「重くてもちゃんと家まで送ってやるから
早く乗れよ」
足が痛そうだから送って行くって普通に言えばいいのに、
わざと嫌味ったらしく言うソヌの言葉に苛立ちが治まらない…
だけど足も結構限界だし、このまま口論するのも面倒だと思い無言のまま自転車に乗ると
何も言わずゆっくりとペダルをこぎ始めたソヌ。
夕暮れの空を見ながら自転車で感じる風が妙に心地いい…
「あー楽ちん楽ちん」
SN「だから早く乗れって言ったのに」
「はいはい、ソヌ様の言う通りでございます」
SN「はぁー…お前ってホント…」
「ねーソヌー」
SN「おー?」
「…今日はありがと」
SN「…おー」
今日あった事を思い出して、次はどんな事が起こるのか不安になる…
最近はずっとそんな感じで辛いけど、ソヌには多少助けられてる所もある
SN「落ちないようにちゃんとつかまってろよ」
そう言ってソヌの腰に回された私の腕、
そして自然とソヌの背中にくっつく私の頬。
“これがジョンファンだったらな”なんて思ったのは、ソヌには内緒にしておこう
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作者名：のん | 作成日時：2016年2月12日 20時
