好きな人には他に好きな人が居ます (ページ39)

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039：ＫＹな彼ページ39

JF「ねぇA」

「ん?」

JF「Aは好きな人居ないの?」

ジュースを飲みながら軽くそんな事を聞いて来るジョンファン、
私はその言葉に一瞬スプーンを落としそうになった

「なっ…なんで?」

JF「Aには色々協力してもらったから
　もし好きな人が居るなら
　僕も応援してあげたいなって!!」

「……」

SN「……」

悪気なんて一切無いって分かってる、
でもあまりにも笑顔で繰り出されたセリフに、言葉を失った私とソヌ。
バカジョンファン…そんな笑顔で応援するとか言わないでよ…

「気持ちは嬉しいけど…今は…居ないかな」

JF「えーそっかぁ…
　じゃあ好きな人が出来たら言って!!
　僕が協力してあげるから!!」

「…本当に?」

JF「うん!!絶対上手くいくように協力するよ!!」

「じゃあ…」

じゃあ…私の事好きになってよ。なんて、そんな言葉を私は頭の中で揉み消した

「じゃあその時は
　いっぱい協力してもらわなきゃな」

顔では笑って、心では泣いて…
作り笑いが上手くなってる自分が、最近妙に切なく思える

JF「ソヌは?好きな子居ないの?」

どこまでも真っ直ぐなジョンファンはまた軽々しくそんな事を聞いてきて、
驚きのあまり口にした物を噴き出しそうになった私達

SN「な、なんだよいきなりっ」

JF「だって僕の好きな人は教えたんだから
　教えてくれてもいいだろ?」

SN「そ、そんなのまだ居ないよ」

JF「えー、本当に!?
　まぁ…転入したばっかりだしまだ居ないか」

SN「そ、そうだよ」

JF「2人とも好きな人居ないなんて楽しくないなぁ」

「ははっ…そうだね」

楽しいとか楽しくないとか、私達はそういう次元じゃなくて、もう笑うしかない。
その後もひたすら上機嫌で爆弾を落としてくるジョンファンとそれに頭をかかえるソヌ、
私はというと、なんとかその爆弾から避けるのに必死だった…

.
.
.

JF「じゃあまた学校で!!」

「うん、またね」

SN「じゃ」

地元の駅に戻り、1人だけ帰り道の違うジョンファンに手を振る私とソヌ。
今日は休日だって言うのに、なんだか凄く疲れた気がする

SN「…帰るか」

「うん…そうだね」

自転車を押すソヌの背中もなんだか疲れているように見えたのは、勘違いじゃないと思う

　