001：私、恋してます ページ1
燦々と降り注ぐ太陽の日差し、
流れ落ちる汗を拭いながら歩く学校への通学路
「あっつ―……だから夏は嫌いなのに」
私は太陽を睨んでそう呟いた。
汗も出るし肌も焼けちゃうし、夏なんか大嫌い!!
本当は外になんて一歩も出たくないし
ずっと家でゴロゴロしてたいし
学校なんて行きたくないのに!!…な〜んて、
去年までの私ならそう思ってたはず…
でも今年は違う。どれだけ汗が出ようとどれだけ肌が焼けようと
学校へ行くのが楽しみでしかたがない。
それは私が今…恋をしているから
「おっはよ―!!」
JF「あ、おはようA!!」
「おはよっジョンファン」
学校へ来て一番に挨拶するのは、前の席のイ・ジョンファン。
…私が今、恋をしている相手
JF「ねぇ、昨日のテレビ見た!?」
「見た見た!!」
席に座ると前から話しかけてくるジョンファンと
先生が来るまで下らない話しで盛り上がるのが私達のいつもの朝
JF「あれ最高に面白かったよね!!」
「うんうん!!勉強しようと思ってたのに
つい最後まで見ちゃったもん」
JF「勉強?Aが勉強なんて珍しいね」
「だって、今日小テストだし」
JF「……うそぉ〜!!!!!!!!!!!」
「プッ、何、忘れてたの?」
私がそう言って笑うと
「何で早く言ってくれないんだよー」なんて
ふくれっ面するジョンファン
「言ってもどうせ勉強しなかったでしょ」
JF「あ〜〜もう僕は〜終わった〜〜」
「また変な歌作って…」
まるでここは何処かのステージかと思う様な勢いで
自作の歌を披露するジョンファンに、
何事だと一斉に振り返るクラスメイト達。
何かあるとこうやってすぐに
自分の感情を歌にして歌い出すのがジョンファンの癖だ
「ほら、もうやめなって」
JF「だって〜!!」
「大丈夫大丈夫、私も勉強してないから」
そう言った私の言葉に安心したのか
「じゃあいっか」なんて一瞬で開き直るジョンファン。
朝からそんな他愛も無い会話が出来るだけでも
頑張って学校に来た価値はあると思えるくらい
私は朝から幸せな気分になれる。
そんなジョンファンとの出会いは今から約３ヶ月前の春。
まだ日差しも穏やかで
さわやかな風が吹いていた入学式での事、
確かあの日の私は凄く急いでたっけ―――――
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作者名：のん | 作成日時：2016年2月12日 20時
