やっぱり、好きなんです【Fischer's】【2】

＊81【You Side】 ページ36

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いつかはこの人たちにもその話をしなきゃいけないというのはわかっていた。



でもしゃべる事も勇気も持ち合わせていなかった。



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ン「ふぇりすちゃんの…過去？」


シ「抜け駆けした訳じゃないけど、俺とモトキはこれからふぇりすがする話を知ってる。

いつか此奴もお前らにこの話をするのはわかってたはず。

宣告しなかったのはホント申し訳ないけど、今じゃないとダメな気がするからさ。」



『わかりました。』





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私は、ぽつぽつと喋り出した。


『私はお金よりも友達という教育を受けて成長してきました。友達より大事なモノは無いと育てられました。

小学生の時も中学生の時も、いつも周りには大事な友達がいました。』





こんな話、絶対引かれちゃうけど、もう話すしかなかった。


みんなが私を見ていた。





『中学3年の最後の合唱コンクール。私は伴奏者を務めました。最優秀賞クラスには音楽祭に出られるという権利が与えられる為、クラス一丸となって、合唱を引っ張りました。

結果は最優秀賞。音楽祭に出場する事が出来ました。死ぬほど嬉しかったです。大好きな友達たちと、大好きな音楽と曲で出場出来たことが、死ぬほど嬉しかったんです。


…だけど、だけど……』





【だけど】と口に出した瞬間、出したくもない、出るはずもない涙が溢れてきた。

もう信用してなどいない彼奴等の、最優秀賞を取った時の顔が、頭に浮かんできてしまった。




…それだけ、彼奴等が好きだったんだと思い出してしまった。




隣にいたモトキさんが「頑張れ」というように背中をさすってくれた。






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『卒業式の日に…目の前の男子と女子に……Aってウザくねとか…、真面目ぶってるところずっと嫌いだったとか……言われて……っ、！』





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『で、友達もろくに信じられないような性格になってしまったんです…。』


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