【男主】魔王さまお逃げなさい！【BL】

第33話　~福利厚生~　 ページ36

若騎 騎士side

絶望が身体から滲み出している事務員こと、フェルバート

『どうした?』
満面の笑みで問うと、殴られた
どうした、俺のかおが羨ましいか?と煽ってやろうかと思ったが、直ちに辞めた


胸をうつような、悲しそうなフェルバートの顔

今にも泣き出しそうだ
しょうがない
これも、福利厚生の一環だ

俺が話を聞いてやろう


******

フェルバートの話を聞いて、端的にまとめるとこうだ
自分の愛しい妻(弟)が、悪しき女神に幽閉されている
↓
実際には会えないけど、特殊な鏡でなら身体が触れあえるし話せる
↓
しかし抱擁はダメという条件付き
↓
それをやぶると、一生会えない
↓
二人は幾日ぶりの会瀬に盛り上がり、
愛しい妻(だから弟)の頼みで熱い抱擁を交わしてしまう
↓
"会えない" "どうしよう"

「どうしましょう、ああ愛しいフィントゥェル」

『落ち着こうか』

「悪しき女神の住処も分からない
あの女神も壊れてしまった
一生
会えないのか...

俺が、俺が甘いばかりに.....
でも、妻の願い事を叶えられて良かった....」

『落ち着こうか...』
ありったけの涙を流し、
うようよと地にあたまを擦り付けながら、
叫ぶフェルバート



『女神倒しちゃう????』

「倒しましょう」

ﾀｯﾀﾗｰ
▽クエスト発生
▼【悪しき女神を討伐】 Lv666
経験値;//////// ﾏﾆｰ://///////////////

「やばいですよ、主
今まで戦ってきたやつ86あたりですよ」

『俺らなら、い、いけるよ、きっと』

「あ、このレベルって世界の終わりに立ち向かう、
阿呆な一般人ぐらいの
勝率の、勝てる要素ない戦いですって」

『他にもいい人はいるよ...

弟くんは諦めよっか!!!』



「おい」

第34話　~顔に全ｽﾃｰﾀｽふった俺~　→←第32話　~相棒~　

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