推しアイドルとわたし！？ (ページ9)

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推しアイドルに嫉妬される！？No、１ページ9

今まで全く喉の奥から出そうになかったその言葉が自然と出た。
Aは固まって、次第に涙を流しながら言った。
「慶君の気持ちは嬉しいけど、、、ゴメンね、私、槇君と付き合ってるから。兄妹のままで、いさせてください。」
慶「、、、分かった。ゴメンな、急に。、、、お兄ちゃんなのに。」
こうなると分かっていた。
だから、心は思ったよりも凪いでいて、むしろ、吹っ切れたような、清々しい気持ちだった。
お兄ちゃんとして、彼女を泣き止ませることを何より優先した。
、、、この場面を誰かに見られているとは知らずに。

自分の部屋に行くと、マイスマホが鳴った。
見てみると、槇君からだった。
すぐに電話に出た。
「もしもし槇君。どうしたの、こんな時間に。」
部屋にかけてある時計をちらりと見ると針はもう10時を過ぎていた。
槇「いや、、、ちょっと気になることがあったから。」
なに？と聞いてみると、
槇「何でもない。オマエの声が聴きたくなったからな。じゃあ、おやすみ。」
「うん、おやすみ。」

Aとのデートの視察にと思って行った公園で、その彼女と同じくらいか少し下くらいの年齢の男が一緒に楽しそうに歩いてきた。
思わず隠れてしまい、それから二人は少し離れたベンチに座って話し始めたので、耳を澄まして聞くことにした。
それから、10分後、男が彼女に告白したのだ。
自分の気持ちを落ち着かせることが出来ずに、そっとその場を離れた。
帰ってきて、風呂に入ってからも、悶々と考え続けていた。
風呂から上がって自分の部屋に行って、10分考えて、ようやく自分の頭の中で結果が出た。
電話を掛けて、本人から聞こうというものだった。
しかし、いざ掛けてみるとなかなか言えないもので、おやすみだけ言って切った。

そんな自分にとどめを刺すような内容の仕事のオファーが入ってきた。
『慶が演じる奏斗とAの演じる楓が最終的に恋人になる』というものだった。
槇「何でAが演じてるんだよ!」
台本を渡され、これを見た瞬間、そう言った。(如月の方針でオファーは基本受けるというため、オファーを受ける、受けないは飛ばされています。)
如月「あの子、美人だからって、制作者側に言ってみたら、使わして下さいって言われたから。」
悪びれもなくそう言う如月に一瞬ピキっと来たが、何とか抑え
槇「別の人に出来ないんすか?」
と言ったら、笑顔で無理だと言われた。
立て続けに嫉妬してしまうようなことが起きたためカラオケで発散した。