推しアイドルとわたし！？ (ページ8)

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兄アイドルに嫉妬される！？ページ8

流石に怜は危ないと思って、オレは一連の出来事をPRISUMのメンバーに説明した。
慶「、、、というわけなんだが、どうする？」
大和「結構前から生意気なグループだったもんねー。」
槇「そろそろオレの堪忍袋の緒が切れるところだな。次もし何かしたら、即刻潰す。」
昴流「槇、怖いぞ。まぁ、あのグループは本当に機会さえあれば即週刊誌行きでもいいけどな。」
慶「じゃあ、Aについてはどうするんだ。」
『、、、、』
槇「慶、任せたぞ。オレの彼女を頼む。」
慶「ハァ、了解。自分の妹だもんなー。」

正直に言う。
オレはAのことが好きである。きっかけは、槇に言ったあの言葉だ。槇に言っているはずなのに、自分にも言っているような感覚を覚え、恋を自覚した。
しかし、彼女は妹であるということと、槇が彼女を好きというのが丸わかりだったから、オレは、あっさり身を引いた。
けれど、やはり、想いは自分の中に残っている。成就することのない想いが。
それがとてつもなく、苦しかった。

学校の帰り道。
「そういえば、槇君って、一人暮らしなの？」
慶「あぁ。そうだけど。それがどうしたんだ？」
「槇君のご両親の話、全然聞かないなぁって思って。」
慶「あぁ、確かにな。本人に聞いてみたらどうだ？」
「聞いたことあるんだけど、話したくないって。」
慶「なるほどな。、、、そういや、槇の実家は知ってるよな？」
「うん。あ、そっか！神社の神主さんとかか！ありがとね、慶君!」
あぁ、と曖昧に返事をした。
彼女の口から出てくるのは槇のことばかり。
槇のポスター作りで夜遅くまで頑張っていたり、御朱印帳を買って、集め出したり。
ほぼ槇のために頑張っている。
もちろんAが槇のことを好きだというのは初めから知っている。しかし、それがこんなにもつらいとは思わなかった。
もう、こんな想いから、抜け出したい。
今まで共に頑張ってきた仲間に嫉妬するようなこの感情を。
だから、、、

「慶君、星がきれいだね。」
慶「あぁ、そうだな。」
この町で一番のデートスポットである、星ヶ丘公園に連れてきた。散歩と銘打って。
一思いに言ってしまおうと思った。けど、、、喉から声が出ない。『好き』というたった二文字が喉の奥につっかえて出てこない。
こんなにも厄介で、胸を締め付けるような感情から、解放されるというのに。
そんなに出てこなかった言葉が、彼女の笑顔を見て、自然と出た。
慶「星も綺麗だけど、あんたの方が綺麗だよ。オレの好きな人。」