彼女は僕のことがキライ-V‐ (ページ45)

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45.テヒョンページ45

Aちゃんを怒らせた挙句、泣かせてしまった。

俺って最低。

だけど、Aちゃんだって悪い。

俺がいるのに、他の奴のことばかりで。

そんな事を考えていたら。

「本当に、すみません。全て私が悪いんです」

Aちゃんのお友達？

なんで謝ってるの？

「本当は、あの子、来たくなかったんです・・元々、嫌だって言うのを私が無理矢理にして」

うな垂れるAちゃんのお友達。

「どういうこと？」

「・・ファンじゃないから嫌だって言うのを、無理矢理に握手会に行かせたのは、私だから」

そう言うと、お友達は、Aちゃんのことを話し出した。

そして、わかった。

彼女は僕を、最初から嫌いだったってことを。

「Ｖさんの握手会へ行ったんです・・最低だったって言ってました」

胸が、締め付けられる。

「お金払って沢山のＣＤ買って来てるのに、こんな冷たい握手会無いって怒ってました」

そこでやっと、彼女に対するモヤモヤしたものが無くなった気がした。

そうか、だからあんなにも嫌って。

それなのに、俺は。

嫌われる訳ないって、天狗になってた。

「俺のこと、嫌いになる理由なんか無いって思ってた」

「申し訳ないけど、Ｖさんのそういう自信満々の所が、あの子、一番嫌いなんです。

あの子の好きなタイプは、謙虚で何事にも一生懸命で、ファンにも優しくて、そんな人だから」

「そんなヤツいねーだろ」

不意にシュガひょんが口を挟む。

「そうかもしれません・・でも、そう思わせる努力をしてて、見える人に惹かれるんです」

「Aちゃんも？」

「あの子は、さっきＶさんがバカにした、新人の子が好きなんです」

ショック、だった。

俺よりも、よく知らない新人のが良いなんて。

悔しくて、負けたくなくて。

「そういう事なら今日は、Aちゃんはそっとしておこうか」

マネひょんがそう言うから。

皆そうだなって、納得してしまった。

ちょっと、俺は納得してないよ？

一方的過ぎるよ！？

皆は二次会へ移動するって言うのを、俺は一人抜け出した。

Aちゃんにちゃんと会って、話したいから。

元々は、俺の意識の低さが招いたこと。

今から謝っても許してくれないかもしれないけど。

そして、俺はどうしてこんなにも必死になっているんだろう。

たかが一人の女の子に。