44.You ページ44
「それ・・」
「あっ・・」
ヤバイ。また、見られた。
Ｖさんに。
顔がみるみる歪んでいく。
「さっきもだけど。何なの一体？そんな新人くん」
そう言われて、私も我慢の限界。
「・・・もうやだ」
なんか今、バカにされたんだよね？
「Aさん？」
ジンさんが心配で私を見る。
「どうしてＶさんにそんなこと、言われないといけないんですか！？」
だけど、後先考えずに、口に出していた。
その場が一瞬で凍る。
でも私の気持ちは収まらなくて。
「悪いけど私、その新人くんのファンだから」
「Aちゃん？」
Ｖさんは驚いた顔をしたけど、もう遅いよ。
さっきは皆に言われて、傷つけたら申し訳なかったかなって思ったけど。
でももう、知らない。
好きな人を馬鹿にされるのって我慢できないもん。
だからこの際言ってしまおうって。
「大好きな人のお誘い断って、こちらに来たのに、
どうしてこんな思いしなくちゃいけないのっ！？」
段々と、涙が溢れてくる。
「・・こんな思いするなら、来なきゃよかった・・」
私は出口に向かう。
「Aちゃんっ、待って」
止められても、もう私は立ち止まる気はない。
「サキは大好きなジョングクさんと楽しんでいいよ、私はホテル帰る」
それだけ、サキに言う。
「えっ、Aっ！？」
サキも突然で驚いてるけど、今は気遣う余裕も無くて。
「ごめん」
スタッフさんが止めるのも聞かず、一人でタクシーに乗った。
もう、今日は何も考えたくない。
疲れたよ・・。
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作成日時：2017年6月19日 1時
