30.You ページ30
「できました！」
「わぁ、ありがとう！助かった！」
アーティストごとに分けてくれたんだ？
じゃあ急いで配りに行こうか！」
「はい」
って、私、何スタッフやってるの(笑)。
つくづく、断れない性格だわ。
台車に段ボールを積む。
「まぁ、そんなにたくさんもないしね。ここ真っ直ぐ行くと、楽屋がズラッて並んでるから」
「はぁ・・」
「行くわよ」
「えっ・・はい・・」
何か行くことになったんだけど(笑)。
・・・断れない(泣)。
「手前に若手、奥へ行くほど中堅〜ベテラン」
いや、要らないけど、その情報(笑)。
私は言われたままに、手前の楽屋から届けて行った。
「失礼しまーす」
「今日のイベントの公式グッズです。公演時間内で使って下さい」
こういうのって、本当、ファンだったら卒倒ものだよね。
私、誰が誰だかあんまり知らないからダメなんだけど。
あ、好きなものしか興味無いってやつ(笑)。
ウジンくんに出会ったら、死ぬし(笑)。
「次は、ＳＥＶＥＮＴＥＥＮねー」
ヤバ。今妄想してたわ(笑)。
「はいっ」
返事を取りあえずしてから荷物を持ち直す。
せぶちかぁ・・何か凄そう。
よいしょっとダンボールを抱える。
「失礼しまーす」
スタッフのお姉さんがドアを開ける。
中へ入ろうとしたその時。
後ろから凄い勢いでぶつかる何かがあった。
「きゃっ」
衝撃でダンボールをぶちまける。
「すみません〜・・」
ん？この声は。
振り返ると、そこには昨日出会ったデフィちゃんが立っていた。
「本当にごめんなさい・・って、あれ、きみ！？」
デフィちゃんも驚いてる。
いやこっちの方が驚くって(笑)。
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作成日時：2017年6月19日 1時
