16.You ページ16
「こっちこっち〜」
出口から出ると、スタッフさんが待っててくれた。
いや、簡単に見つかったね(笑)。
こんな私達に親切丁寧なスタッフさんに感謝。
二人してついて行くと、大きな黒塗りのバン。
おー・・芸能人仕様の車だわ・・。
「さぁ、乗って、乗って」
「いいんですか？こんな車に乗っても・・」
「大丈夫だよ、今日はちゃんと事務所にオッケー貰ってきてるから」
そう言ってスタッフさんは私達のスーツケースを積んでる。
ガラリ、とドアが開き、乗り込む。
「やっほー♪久しぶり＾＾」
「げ・・・」
そこには、能天気な奴が一人座っていた。
「一番会いたくないやつ」
「え？何か言った？」
こいつ、本当に嫌い。
私がムカムカして離れた席に座ると。
「ええー・・！？テテがいるっ！？」
サキ・・相手したらダメだってば。
「お友達さんも、よろしくね」
「は、はい、よろしくお願いします」
「じゃあホテルに行くね〜」
スタッフさん・・どうしてここにあいつがいるのか説明してくれないかな(泣)。
「あ、そうそう、テヒョンくんのことは気にしなくていいから。勝手について来てるだけだから」
え、私の声が聞こえた？
「漏れてるよ、声」
「えっ！？」
「嘘〜(笑)」
「くそ、テヒョン！！！」
私をからかってゲラゲラ笑い転げるテヒョンに、さらにムカつく。
いや、もう本当に、無視ね。
「サキ」
「え？」
「あいつの相手、よろしく」
「何でよ・・私面倒くさい人、ダメなんだけど」
「私も」
「グクならいいけど」
「なになに〜？？グクがどうしたの〜？？」
「勝手に入ってくるな、てか日本語わからないなら話し掛けるな」
「何気に俺、酷い事言われてない？？」
フン、知るか。
楽しい旅行が台無しになる。
こいつは放っておいて、旅行を楽しまなくちゃね。
「Aちゃん、可愛い〜＾＾」
「名前呼ぶな」
「A〜」
「呼び捨て禁止！！」
「ぐふふふふ///」
この人、恐いよ。
キモいし。
誰か、この人どっかへやってくれないかな。
「Aって、こんなにテテに想われてるのに、残念な子だね」
溜息をつくサキ。
「想われてないから」
「サキにあげる」
「私にはグクが」
「えー・・グクが何〜？？」
「だから入ってくるな」
はぁ・・疲れる。
私の癒しはやっぱりウジンくんだな。
私は天然系不思議イケメンは好きじゃない。
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作成日時：2017年6月19日 1時
