０１５. ページ16
ヨナside
·
【闇 落つる 大地】
【龍の血により 再び蘇らん】
【
【五龍 集結せん時】
【王 守護する 剣と盾が目覚め】
【ついに 赤き龍 暁より還り
イクス「＿＿＿＿‥‥」
神官様は話し終わると、ぱたり…と倒れた。
ヨナ「！？」
私はそれに驚く。
イクス「かっ‥神様の声を伝えるのは精神力がいるのでふ‥‥」
ユン「めんどくさいよ、若年寄〜」
ハク「龍とか神とか、さっぱりわからんが、何を言われても俺は壺は買わん」
A「売らないわよ」
いつの間にか、ユンとハクとAもここにいた。
ヨナ「さっきの予言、赤き龍って神話に出てくる王の事？」
イクス「建国神話はご存知で？」
ヨナ「ええ。赤い龍神が人間の姿になって天界から地上へ降り、国を治めてゆく話。
＿＿＿それが、高華国 初代国王 緋龍王。父上が昔、よく話してくれたわ」
イクス「でも、その緋龍王も人の身となってからは、いずれ人と争う事になったのです」
·
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
人々の心は邪に満ち、神を忘れてゆき、国は荒れた。
緋龍王も権力を欲する人間達に捕えられた。
あわや、討ち滅ぼされそうになった時、
天界から五体の龍が舞い降りた。
『緋龍よ、貴方を迎えに来た。信愛と学びを忘れた人間など滅ぼし、天界へ帰ろう』
緋龍はそれに応じなかった。
龍達もまた、緋龍を愛し、失いたくないと願った。
青・緑・黃・白・紫の五体の龍は
緋龍を守る為、
人間の戦士に自らの血を与え、
力をもたらした。
ある者は 何をも引き裂く 鋭い爪を、
ある者は 彼方まで見通す 眼を、
ある者は 傷つかない頑丈な 体を、
ある者は 天高く跳躍する 脚を、
ある者は 大切なものを守る 力を、
『これより、お前達は我々の分身』
『緋龍を主とし、命の限り、
これを守り これを愛し、
決して裏切るな』
龍神の力を手に入れた戦士達は、部族を率い、緋龍王を守り、国の混乱を鎮めた。
やがて
闘いに疲れた赤き龍は眠りにつき、
五龍の戦士達は役目を終えた。
五龍の戦士はもう動かない王を想い、泣いた。
大切な人を失った悲しみなのか、
自身の中にある龍神の血が緋龍の死を悲しんでいるのか、
彼らにはわからなかった。
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作者名：青空丸 | 作成日時：2021年5月4日 19時
