52→不釣り合い ページ4
私と轟君の現在の距離…
それは拳三つ分程度の約20cm。
しかも肩並べた二人きりの状態で心臓はバクバクだ。
でも、それは最初のうちだけ……
「悪りぃ。長引いたな…」
轟君の
なのに…
「植包…？」
黙っていた私に足を止めて轟君の声は私の肩を小さく跳ねさせた。
その拍子に両目に溜まっていた涙が耐え切れずに頬を伝う。
「ごめんなさいっ……その、気にしないで…」
私はそれに気づいた瞬間、無理のある言葉を発した。
元々センチメンタルな私はよく泣いてしまう。
それは例え王道でもオチが判っていても泣いてしまう程。
けれど空気を読んで我慢する程度は出来る。
今日、それが出来なかったのは…
きっとその話の主人公が好きな人だったから…
「(予想以上に、不釣り合いだ……)」
その情けない泣き顔を隠す為に私は俯いた。
彼が映画の主人公ならば、私はただのモブか…
良くて知り合い以上友達未満だろう。
不釣り合いなんかじゃない。
絶対的で高く分厚い壁が私と轟君の間にはある。
そう、結局は身勝手にも失恋を感じて泣いた訳だ。
「っ……」
解っているはずなのに止め処無く流れる
きっと突然泣き始めた私を見て轟君は困っているだろう。
困らせたい訳じゃないんだよ…
ごめんなさい、と二度目の謝罪をしよう。
そう決めて目を擦ろうと手を動かした。
しかしその手を強く握った人が居た。
「擦ると目、腫れるぞ」
そんな行動に私は咄嗟に顔を上げてしまった。
そこには少し困った様な複雑な表情をする私の好きな人。
「(別に、そんな顔させたい訳じゃないんだよ…)」
その表情を崩さぬまま轟君は徐にハンカチを取り出す。
そして私の涙をまるで壊れ物を扱うかの様に優しく拭った。
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驟雨-ｼｭｳｳ-(プロフ) - 最初に題名が、「ストーカーの中から」って読み間違えて、話進めていくうちに「あれ？いつストーカー行為するんだろう」と思い再確認したら「スカート」だった事に74話まで気づきませんでしたww←← (2017年12月10日 8時) (
レス) id: f96aa8335d (このIDを非表示/違反報告)
宮香(プロフ) - 夜分遅くに失礼します。完結おめでとうございます！夢主の細かな心理描写であったり、二人のドキドキする場面であったり、読み進めていて本当に素晴らしかったです。このような作品を読んでよかったと思えるようないいお話でした。次回作も楽しみにしています！ (2017年10月30日 0時) (携帯から) (レス) id: 52f2921e66 (このIDを非表示/違反報告)
自宅警備員先生(プロフ) - 夏樹さん» コメント有難うございます！少々ネタバレにはなりますがわざとです。思いっきり本編で釘を刺されます。気づいてくれるか心配でしたが居たようで良かったです。 (2017年10月26日 12時) (レス) id: b2d825e211 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹(プロフ) - なんだか主人公ちゃんかすり傷専門になってません...？ちゃんと腹痛とかも治してあげないと...精神に関しても安定剤とか、行きすぎな位処方しないと、「もしも」の場合を考える力が欠陥しているように見えます。 (2017年10月26日 0時) (レス) id: 2dea3e4581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：自宅警備員先生 | 作成日時：2017年10月25日 18時
