51→募る期待 ページ3
家を出て暫くお母さんの仕事場である病院に着いた。
私の母親はカウンセラーで色々な病院や学校を行き来している。
そして今日はその場所がこの病院だったのだ。
ちなみに来るまでの道のり、誰とも会う事は無かった。
「(やっぱ気にしすぎだよね……うん。)」
一人で納得しながらも母と待ち合わせした病院内の談話室へと向かう。
そして……
「なぁに気合入れた服着てるのよ！あ、もしかしてこの後はデートとか？」
変な心配のおかげでお母さんからからわれてしまった。
まぁ、相手のテンションがテンションだった為から軽く返したが…
「(デート……か…)」
そんなの当分、私には縁が無い事だろうな。
そう悲しい事を思いながら私は病院を出ようとした。
「――植包？」
しかしその行動は好きな人の声に振り返った事で中断された。
そして振り返ったそこには…
「と、轟君…？」
本当に本人が居て一気に鼓動が加速して行く。
いや、まぁ……
「(し、私服だ……当たり前だけど、当たり前なんだけど…！凄く、良い…)」
混乱と語彙力の無さから内心は荒れに荒れた。
要するに格好良いと言う簡潔的な感想だ。
「何でここに…」
「ぁ、えっと……母の忘れ物を、届けに…」
そんな轟君は驚いた表情をしていて…
それは何時もよりも解かり易くて珍しいと思った。
少し冷静さを取り戻したものの吃ってしまうのはやはり私服効果？
「植包もか…」
なんてふざけた事を思っていた時轟君の言葉に驚く。
「もって事は、轟君も…？」
「あぁ」
「そ、そっか……」
ここは病院、来る理由なんて簡単に解るはずなのに…
「…その、どうして？」
聞いてしまうのはやっぱり好きな人の事が少しでも知りたいから。
だが私の言葉を聞いた後の轟君の表情を見てそれは軽率すぎた行動だと気づく。
「ご、ごめんなさい！プライバシーの侵害ですね…！」
咄嗟に謝罪をしてお辞儀をする。
やってしまった、と後悔しながら…
なのに……
「一緒に、帰らねえか？」
「え…？」
「……植包になら、話しても良い。」
君はそんな言葉で私を期待させるのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
驟雨-ｼｭｳｳ-(プロフ) - 最初に題名が、「ストーカーの中から」って読み間違えて、話進めていくうちに「あれ？いつストーカー行為するんだろう」と思い再確認したら「スカート」だった事に74話まで気づきませんでしたww←← (2017年12月10日 8時) (
レス) id: f96aa8335d (このIDを非表示/違反報告)
宮香(プロフ) - 夜分遅くに失礼します。完結おめでとうございます！夢主の細かな心理描写であったり、二人のドキドキする場面であったり、読み進めていて本当に素晴らしかったです。このような作品を読んでよかったと思えるようないいお話でした。次回作も楽しみにしています！ (2017年10月30日 0時) (携帯から) (レス) id: 52f2921e66 (このIDを非表示/違反報告)
自宅警備員先生(プロフ) - 夏樹さん» コメント有難うございます！少々ネタバレにはなりますがわざとです。思いっきり本編で釘を刺されます。気づいてくれるか心配でしたが居たようで良かったです。 (2017年10月26日 12時) (レス) id: b2d825e211 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹(プロフ) - なんだか主人公ちゃんかすり傷専門になってません...？ちゃんと腹痛とかも治してあげないと...精神に関しても安定剤とか、行きすぎな位処方しないと、「もしも」の場合を考える力が欠陥しているように見えます。 (2017年10月26日 0時) (レス) id: 2dea3e4581 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：自宅警備員先生 | 作成日時：2017年10月25日 18時
