47→決勝後の悶々 ページ48
決勝戦、結局轟君は炎を使う事を躊躇し爆豪君の攻撃に飛ばされ気絶。
勝利したのは爆豪君だったが炎を消した事に怒り、
結果的に彼もミッドナイト先生の個性で眠っている。
それにしても、炎を使う事に何故躊躇しているのだろう…
今更ながらそんな疑問が浮かぶがあまり深い事を聞く勇気も無い。
でも私の仕事はケアをする事なのだから……
「どうすれば…？」
踏み入って良いのだろうか？
そう悶々と悩み挙句の果てには声に出す。
咄嗟に口を抑えベッドで寝かされてる爆豪君に視線を移す。
「(良かった……起きてない…)」
先程、轟君の治療を終えて私は爆豪君の様子を見る様に指示された。
欲を言えばその場にずっと居たかったけれど……
そんな我儘は恥ずかしくて言えるはずも無い。
「(何か飲み物でも買って来ようかな…)」
いやいや爆豪君起きるまで居なきゃいけないから。
そう馬鹿みたいな自問自答をするものの暇なのはどうしようも無い。
体育祭と言うのもあって暇つぶしに持って来る本も今は無い。
「はぁ……」
その退屈さに私は思わず溜め息を吐いた。
直後、今日の事をふと思い出して色々あったなとまた溜め息が出そうだった。
しかしそれが出なかったのは……
「……あ、ぁ？」
「ば、爆豪君…？」
彼が少しながらも目を開き始めたのに気づいたからだ。
加え小さく声を漏らしたので恐る恐る私は声をかけた。
だが…
「――あんのｯ…クソがぁ！！」
「爆豪君！！？」
完全に目が覚めたと思えば勢い良く起き上がり個性を使い始めた。
ドスの利いた声に何時も以上に怖い表情…
幸い私に向けている訳では無く個性も感情のままに出しているが…
しかし逆に言えば私の事は眼中に無く違うものに怒りを向けている。
そこで思い出されるのは彼が眠らされる前の出来事…
このままでは本当に突撃して行きそうな感じだ。
「ご、ごめんなさい！」
私はその様子に危機感を覚え、謝罪しながら個性を使う。
生やした植物の巨大な蔓が段々と爆豪君を拘束して行く。
それを横目に私は未だに付けたままのインカムのマイクにスイッチを入れた。
「先生！爆豪君が暴れ始めました…！！ので助けてください！」
そして感情のままに叫び、救援を呼んだ。
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作者名：自宅警備員先生 | 作成日時：2017年10月16日 18時
