【ヒロアカ】スカートの中から始まった感情【轟焦凍】 (ページ16)

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15→難関スキンシップページ16

「？大丈夫か」

サラサラな髪を揺らし首を傾げる轟君の姿は物凄く絵になる。
舌を噛んだばかりの現状で無ければきっと鼓動が急速した事だろう。

「だっ、大丈夫です…」

痛みに少し涙目になるものの我慢しながら喋る。

滑舌の悪い所を聞かれるぐらいなら痛みに耐える方がマシ…

傍から見れば何の意地だと不思議に思う事だろう。
でもこれは恋する乙女にとっては結構重大だと思うのです。

「その、どうしたんですか？もしかして怪我でも…」

「あぁ、少し掠ってたみてぇだ…」

そう差し出された手の甲には確かに微かに血が滲んでいた。

「(気づかなかった……なんて言う失態…)」

早く気づけなかった注意不足に気の利かなさ。
これは減点対象、いや何の減点かは知らないけど…

それにしても何時、怪我をしたんだろうか？

しっかり皆を見ていたはずでしかも相手は轟君。
気づかれてもおかしく無い程に見ていた気がするのだが…

「すぐに薬を塗りますね」

「助かる」

そんな疑問を一旦胸の奥に仕舞い込む事にして、
事前に調合して貰った薬を入れた救急箱を開け中を探る。

私の個性上今の状況は専門に調合して貰わなきゃいけない。
だから素材を出来る限り用意してこうやって薬を保管しているのだ。

目当てのクリーム状の薬が入った瓶を手に取り箱の蓋を閉める
――その直前で思った。

…私、塗るって言ったよね？

「(待て待て待て、待って！？塗るって……無理無理！)」

話す事ですら心臓バクバクなのに…
例え、治療の為とは言え殿方に触れるのは…

「(入試よりも難関…)」

失礼ながらもそう思ってしまうのは仕方ないこと。