愛して※メリバ展開ver ページ25
『___ごめん坂田』
私は坂田の手を振り払う。
「___A…っ…？」
『…私、渉と一緒にいたいの』
渉のゴツゴツと角ばった男の人特有の手をギュッと握る。
『渉のやってることは確かに、犯罪かもしれない。軟禁したり、人殺したり、異常かもしれない』
「…人殺す…やって…？なおさら、そんな奴と一緒にいる理由なんてないやろ！？どうしてっ…」
坂田がそう言う。
『…えへ。でもきっと、それも渉なりの愛し方なんだと思うの。そーゆうことをするくらい、私のことが大好きってことでしょ？』
そう言って渉の顔を見ると、驚いたように目を見開いた後、ふっ、と微笑み「もちろん」と言ってくれた。
触れるほどのキスをする。
あぁ、愛おしい。
前の彼氏がDVだったからかはわからないが、私は相当愛に飢えていたのかもしれない。
ただ、私に向けられる愛が欲しかった。
私を愛して欲しかった。
『渉、私、渉のこと好き』
まだ伝えていなかったかもしれないと思い、そう言うと、ヌルッとしたナニカが口の中に入ってくる。
『んぅ…！？んっ…ふっ、あっ』
渉と出会って、3度目のディープキス。
あの頃は確か…渉に軟禁された時だっけ。
今思えば、あの頃から、渉を好きになっていたのかもしれない。
脳みそまでもドロドロに溶かしてしまうようなキス。
ぷはっ、と息が切れて口を離すと、私の渉の口の間に銀色の糸が引かれていた。
『…好き』
言葉では表せないくらいの「好き」が溢れてくる。
坂田は茫然と私たちを見ていたが、我に帰り、そう告げる。
「…A…おかしいで…？？だってそいつ、殺人鬼なんやぞ！？Aだって、殺されてまうかもしれへんで！？」
『渉に殺されるなら本望だよ…なんてね』
坂田ににこりと微笑む。
「…なんでっ、そんなん、異常やん…！！」
坂田が信じられないものを見るかのように私と渉を見る。
…異常、か。
確かに、そうかも。
異常な愛を持つ渉を好きになる私は、周りから見たら異常なのかもしれない。
でも、私たちの中での“愛”はこの愛し方が“正常”なのだ。
私も前までは異常だと感じていたが、今ではすっかり慣れてしまった。
…渉からの愛だからかもしれないけれど。
私たちの愛し方を他人にとやかく言われる筋合いは無い。
『…坂田、今までありがとう。さようなら』
ふと、もう坂田とは2度と会わないような気がして、そう言う。
わたしは坂田に背を向けて、渉の車に乗り込んだ。
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ちょこ - とてもよかったです！ハッピーのその後話が欲しい！ (2022年1月13日 22時) (
レス) @page34 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ひきねこさん» 返信遅くなってしまいすみません！通知だけ消して返信を忘れていましたｯｯｯ（汗）喜んでもらえて嬉しいです！！！！！メリバ展開最高ですよね(｀・ω・´) (2020年9月4日 7時) (レス) id: e405411bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ひきねこ - いや、久しぶりに来たがメリバがあるだと！？しかも面白いんですが！？ねぇ最高なんですけど！ ほんと好き (2020年8月31日 22時) (レス) id: b9ac26b4ea (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - nkkomuroさん» メリバの方も読んでいただきありがとうございました！メリバ最高ですよね〜(*'▽'*)楽しんでいただけたようで嬉しいです！こちらこそ、最後の最後までお付き合いいただきありがとうございました！ (2020年8月28日 22時) (レス) id: e405411bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nkkomuro(プロフ) - メリバ最高でしたぁぁぁ!見たかったのですごく嬉しいです!!ハッピーエンドもメリーバットエンドもどちらとも最高でした!!ありがとうございます!! (2020年8月28日 21時) (レス) id: e044082ffb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2020年7月23日 20時
