五条悟が髪を黒染めしてきた【五条悟】

笑うしかない ページ8

「ふふっ、いい表情をしてるね。驚いたかい？A」


「....A？」


「.....あ、あははっ、！！夏油が白髪ってｗｗ辛いｗｗ」


「え？」



そりゃビックリしたよ。


でも、そんなことよりも面白さの方が勝つに決まってる。


だってあの夏油が白髪だよ！？しかも全然似合ってないの！！


もう怒りの感情とかどっかいっちゃったわ。



「...悟のことは笑わなかったのに、私のことは笑うのかい？」


「いや、だって仕方無くない？ｗｗ

マジで似合ってないし夏油がそんなことすると思わなかったし、笑うことしか出来ないよｗｗ」


「はぁ...私はもっと、Aの驚いた顔を期待していたんだけどね。」


「ごめんごめんｗ」


「お前も中々酷いことするよな。

私がもし髪を染めてきたとして、会って早々似合ってないだの意外だの言われたら泣くわ」


「えー、それに関しては仕方ないよ。だって嘘つくほうが悪いってお母さんに習ったもん」


「全く、Aは人の話が聞けるのか聞けないのかはっきりして欲しいものだね...」



白髪の夏油というのはやっぱり慣れないが、深呼吸をしたおかげでだいぶ気持ちが落ち着いた。


...それにしても、なんで夏油は髪を白染めしたんだ？


夏油のことだから五条みたいにクイズを出してくるなんてことはなさそうだけど、

簡単に答えを教えてくれそうにもない。


やっぱりタイミング的に、五条が黒髪にしてきたことと関係があるの？


....あ、もしかしたら―――



「ねえ五条。五条が黒髪にした理由ってさ、夏油の髪色が羨ましかったからとかある？

そして夏油が白髪にしたのは、同じく五条の白髪に憧れたから。

髪色を交換こしたかった、とか？」


「ほう、中々面白い推理なんじゃないか？どうなんだよ、五条」


「A、本当にその答えで大丈夫？ファイナルアンサー？」



五条は少し微笑を浮かべながら、私の顔を眺めて聞いてくる。


そして私はその瞬間、この推理は間違っているということに気づいた。


3年間も一緒にいる同期なんだから、心情くらい簡単に読める。



「やっぱなーし。夏油と五条がそんな可愛いことするわけないよね」


「...ちぇっ、つまんねえの。間違えてくれたら良かったのに」


「まあ、こっちも本気でやってるんで！」



折角なら、ここまで私を弄んできた五条のためにも答えを当ててやろう。


タイムリミットはあと5日。


術式も顔面も勝てたことのない五条に、私は勝ってみせる！

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