五条悟が髪を黒染めしてきた【五条悟】

全部知りたい ページ16

「...A、お前もしかして恵に何か言われた？」


「い、言われてないよー？どうしてそう思うの？」


「いや、言われてないなら別いいんだ。悪い」



恵くんを家まで送り届けた後、五条は軽く私にそう聞いてきた。


...五条って空気は読めないくせに、何故かこういう事に関しては気づきやすいんだよなー。


本当に怖い怖い...ボロを出さないようにしないと。



「恵くんはどう？良い呪術師になれそう？」


「まあ、まだ基礎的なことしか教えてないからなんとも言えねえけど...

才能は十分にあると思う。飲み込みも早いし、呪力のコントロールにも繊細さがある。

...あんま言いたくねえけど、流石あいつの子供なだけあるなって感じだ」


「やっぱり禪院家なことに変わりはないかー。

でも、五条が呪術において他人を褒めるだなんて珍しいね」


「ただ単に、これまで褒めるほどの人材が少なかったってだけだよ。

俺が褒めるのは本当に強くなれると思ったやつのみだ。

...あいつなら、俺のことを越すことだって出来るはずだろ。」


「恵くんが五条を越す？いくら強くても、流石に五条には敵わないんじゃ...」


「十種影法術はそれほどまでに強いんだよ。

昔も俺みたいに六眼と無下限呪術を持った呪術師が存在したが、

そいつは十種影法術を持った呪術師と相打ちになって死んだ」


「それに俺はあいつに期待してる。...俺を越すような人材じゃないと困るんだよ」


「...ふーん。新鮮すぎてちょっと意外かも」



最近私は五条に驚かされっぱなしだ。


五条のことを探るようになってからというものの、本当の五条を見ることが多くなった気がする。


...私が知らないだけで、五条にはもっと色々な顔があるのかな。


意地悪な一面も、可愛い一面も、優しい一面も。


折角なら、全部見てみたい。五条のことを全部知ってみたい。


そんな考えが脳裏をよぎるようになった。



「てか、お前は恵の心配してる余裕ないだろ。

クイズの制限時間明日までだぞ？ちゃんと答えの見当ついてんの？」


「げっ、マジじゃん！やば.....」


「ま、お前が負けたら俺の願いを聞いてくれるっていう約束なんで、

俺としては負けて欲しい一心だけどな」


「....制限時間って、明日の3時32分まででいいよね？

だってピッタリ一週間後だったら時間も合わせなきゃだし！」


「なんでそういうところの計算だけ早いわけ？...まあいいけど」


「やった！じゃあ、私は情報収集してくるから！」

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