五条悟が髪を黒染めしてきた【五条悟】

みんなの弟的存在 ページ14

私は一ヶ月の中で月末が一番好きだ。理由は沢山ある。


まず1つ目は、同期と一緒に必ず有給を取ってご飯を食べに行くから。


2つ目は、美容院の予約を入れているから。


そして3つ目は....



「恵くんに会えるから！」


「...あ、Aさんお久しぶりです。」


「久しぶりー！また背おっきくなったでしょ？いつか私のことも越しちゃうのかなー...」


「絶対越えてみせますよ。いつも子供扱いされてますけど、俺も一応男なんで」


「恵くんは大きくなっても私の中では子供のままだよー。だって可愛いし」


「...それ近所のおじさんにもよく言われるんですけど、そんなに俺ってかっこよくないですか？」


「え、近所のおじさんにそんなこと言われてんの！？恵くん今すぐ逃げよう。

いつかそいつに誘拐されて行方不明になって、もう恵くんに会えなくなったら私辛い...」


「いやなんの心配してるんですか？もし誘拐されそうになっても蹴り飛ばすんで平気です」


「流石恵くん、五条に育てられてるだけあるわ...」


「五条さんと似てるって言われるのがこの世で一番嫌なので前言撤回してください」



相変わらず恵くんは五条への当たりが強い。


恵くんは高専に遊びに来てくれる度に、こうやって五条への愚痴をひたすらに語ってくれるのだ。


本当に恵くんはいい子だと思う。


クズ極まりないお父さんに捨てられたのにも関わらず、

お姉ちゃんを守るために呪術師になることを決意しただなんて。


...私が干渉しちゃいけないことだって分かってるけど、

本当は『もう頑張らなくて良いんだよ』と声をかけてあげたい。


私は恵くんに呪術師になんてなってほしくないんだ。


でも五条にも五条の考えがあって恵くんを呪術師にしたんだろうし、

私はこれに関して首を突っ込んじゃいけない。


それに多分、バカ真面目な恵くんはこうやって交渉という形にしないと

五条の世話になることは無かったんだと思う。


自分の将来を捧げているからこそ、恵くんは五条に信頼を置けているんだろう。



「あ、そうだ恵くん。聞きたいことがあるんだけどさ」


「なんですか？」


「五条が黒髪にした理由、何か知らない？」

知らなかった一面→←自分の意志じゃない？

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