part206 ページ15
「私の名前はラルク。
かつて、神鳥レティスと共に
暗黒神に立ち向かった七賢者が1人
レグニスト様の末裔であり
それと同時に神鳥と同じチカラを持つ賢者」
ククールと別れ、
早々に眠りについたアルヴァスの目の前に現れた1人の男。
その男は自らを父と名乗り、
アルヴァス自身、それを受け入れ
アルバと同じ話を聞いていた。
「父さん、その神鳥のチカラって一体……」
「あぁ。
神鳥のチカラというのはお前自身が
とっくに体験しているだろう。
光と影の世界を行き来するチカラ。
そして暗黒神を封印するほどの魔力。
私と私の妻・フィオーネは
ご先祖様からそのチカラを受け継いだ。
受け継がれた理由は私にも不明だが、
これもきっと、何かの因縁があるのだろう。
私たちはそう思い、暗黒神の手下から逃げるように生活していた。」
「……父さんと母さんは
既に会っていたのか？」
「元々、親同士が仲が良かったから
私たちは必然的に会い、恋に落ちていた。
……と言ったら正解かな。」
「……。
惚気はいいよ」
アルヴァスは照れたように笑う
彼そっくりな男性…ラルクに呆れ溜息を吐く。
ラルクは“冷たい息子だ…”と肩を落としながら
話を続けた。
「私たちは幸せだった。
フィオーネのお腹にお前たちが生きて
これからお前たちを育てるのだと、
とても、嬉しく誇らしく思った。
……だが、
そんな幸せもつかの間だったんだ。
とある日、
何かを察したのか
暗黒神の手下どもが私たちを襲った。
“レティスと同じ気配がする”
そう言われた時は悪寒を感じた。
もしかしたら私のチカラとお前たちの存在がバレたのでは？って。」
「………」
「私たちは逃げて逃げて……
逃走の日々を過ごした。
そして……数ヶ月そんな日々過ごしたある日、
お前たちが、生まれたんだ。」
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