検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:22,115 hit

part152 ページ10

レオパルドが去ると
周りにいたオオカミたちも
興が冷めたかのように去って行った……。

倒れているメディの亡骸に
バフが鼻を押し付けて“クゥーン”と鳴いている。

それに気付いたのか
身体を痛めていたグラッドは
その身体を引き摺りながらも
メディの亡骸へと這いずり寄った。


「か、母さん……
何てことだ。
オレがあの黒犬に捕まったばかりに……

ようやく、
謝ることができると思ってたのに……。
オレの……オレのせいでっ!!」


その場にはグラッドの啜り泣く声だけが響き、
エイトたちは目を伏せた……。


ーーーーーーーーーーーーー


グラッドの身体を手当てすれば
彼はすぐに(メディ)の墓を作ると言い
アルヴァスに支えられながら
地下にある薬草園の所まで来た。

そして、墓を作り終え花を添えると
グラッドやエイトたちは目を閉じて祈りを捧げた。


「あの黒犬は東の方へ飛び去ったと言ったね?
東か……、たしか東には
法皇の住む島があったはず……」


「!!」


「……だろうな。
法皇様にも賢者の血が流れている。
次の狙いは間違いなく法皇様だ。」


グラッドの言葉に
アルバとアルヴァスは目を合わせ俯く。

現法皇は2人の実祖父だ。
2人にとって必ずと言っていいほど
守らなくてはならない存在である。


「キミたち!
キミたちは黒犬を追って旅しているんだろう?
だったらお願いだ!

二度と母のような犠牲者を出さないよう
あの黒犬を追いつめて必ずヤツを倒してくれ!」


「元よりそのつもりです。
今度こそヤツを倒さないと……」


「…姉さん……」


自分たちの身内が殺されるのは
もう懲り懲りだ。だからこそ早く倒さねば、と
アルバの中で焦りが生じるも
アルヴァスがその手を握りそれを抑える。


2人は不完全な双子。
片割れが存在しなければ生きていけない
不完全な双子だ。

支え合い、助け合い、正し合い
生きていく双子。


不意にオディロに教わったことを思い出し
アルバはいつもの冷静さを取り戻した。

part153→←part151



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:スート | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年6月2日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。